HOLISTIC HEALTH JOURNAL

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寒い冬必見!免疫力の上がるヨーグルトについて

ヨーグルトの効果とは

寒くなると感染症を引き起こしやすくなります。そこで免疫力を上げて身体を守るヨーグルトについて今回はご紹介いたします。

介護老人保健施設 ぼたん園でもヨーグルトや食物繊維を感染症の予防の観点において積極的に提供しております。

なぜ寒くなるとインフルエンザなどの感染症が増えるのでしょうか

11月に入り、寒さがグッと厳しくなって参りました。

昼夜の寒暖差が激しいこの時期は、服装の選択など温度変化への対応も難しいかと思います。そのような状況下で体調を崩してしまう方も少なくないでしょう。

また寒くなるこの時期は空気も同時に乾燥してきますので、インフルエンザやノロウイルスなど様々な感染症が流行いたします。このような情報をTVなどの報道でも目にする機会が増えてくると思います。

そこで寒くなる時期に感染症が増えてくる2つの理由を解説いたします。

1、体温が下がり免疫力が低下することで感染症を引き起こしやすくなる

急に冷え込むこの時期は“衣替えが間に合わない”“昼夜の寒暖差で服装がわからない”など服装において悩む時期になるかと思います。家を出た時にはちょうど良かった服装も夕方になると寒いなど経験もあるでしょう。そのような状況になることで身体の熱が奪われ、体温が低下します。その結果、代謝機能が低下し、免疫力も下がり、感染症が発症しやすい状況になります。

2、低い気温と乾燥した湿度はウイルスにとって最適の環境になる

ウイルスにとって“寒いこと”や“空気が乾燥すること”はとても最適な環境になります。ウイルスは空気が乾燥することで軽くなり、浮遊しやすい状況を作り出すことで、感染症を広げていきます。更に喉や鼻の粘膜が乾燥し、ウイルスが侵入しやすくなります。

感染症はどのように体内に入り込むのでしょうか

感染症には感染経路として下記の4つが挙げられます。

1、接触感染

ウイルスに触ることで体内に取り込んでしまう感染です。

目に見えないものですから、手で鼻や口や目を不意に触ってしまうことで、感染症を引き起こしてしまいます。

2、飛沫感染

感染した方との会話などで発生した飛沫から体内に取り込んでしまうことによる感染です。特に咳やくしゃみなどは飛沫する距離も広がるため感染のリスクも高まります。

3、空気感染

乾燥により、空気中に浮遊したウイルスを体内に吸い込んでしまうことによる感染です。

飛沫感染は同じ空間にいても感染しないことに対して、空気感染は空気に浮遊したウイルスを吸い込むことにより感染を引き起こしてしまいますので、同じ空間にいるだけでも感染する可能性があります。

4、経口感染

ウイルスの付着した食べ物を口に入れることによる感染です。

汚染された食べ物や飲料水からの感染はもちろんのこと、ウイルスの付いた手指で食事を行うことでも感染を引き起こしてしまいます。

このような感染経路により体内に入り込んでしまいますが、必ずしも体内に入ったからといって感染症にかかるわけではありません。取り込まれたウイルスから身体を守るために必要なものが免疫力になります。そこで免疫力を強化するために必要になるキーポイントが腸内環境を整えることにあります。腸には身体全体の約7割の免疫細胞が集結していると言われています。したがって腸内環境を整えることは免疫力を高めることになります。

腸内細菌を整える食品材料について

免疫力を上げることが大事だということは前項でお話をしましたが、では免疫力を上げるにはどのような方法があるでしょうか。耳にされたことはあるかと思いますが、下記のようなポイントが挙げられます。

  • 食事
  • 睡眠
  • ストレス解消
  • 運動

今回は上記のポイントから食事について考えてみましょう。

腸内細菌を整えるためにはやはり食事は大事になります。今回は食事のなかでも特に腸の働きに有効性の高い食材についてお話しをいたします。

腸内環境は「善玉菌」と「悪玉菌」で決まります。特に60歳を過ぎる頃から「悪玉菌」が多くなる傾向になると言われています。しかし腸内環境を整えるためには「善玉菌」を優位な環境に保つことがポイントになります。そこで「善玉菌」を増やすための方法として“プロ”バイオティクス(菌そのものを摂取)と“プレ”バイオティクス(菌のエサを摂取)の2つをご紹介いたします。

1、“プロ”バイオティクス(菌そのものを摂取)

善玉菌は発酵食品に多く含まれ、代表的な菌としてビフィズス菌、乳酸菌や納豆菌、酵母、麹菌などが挙げられます。

それらを摂取した上で、生きて腸まで届くことが必要となります。具体的な食品としてヨーグルト、納豆、チーズ、味噌、漬物などの発酵食品に多く含まれています。適切な量を毎日摂取していただくことで善玉菌を増やす働きがあります。

また胃酸などで死滅した菌であっても善玉菌を助ける力を発揮しますので、決して効果がないわけではありません。そのため積極的に摂取していただくことが大事になります。

2、“プレ”バイオティクス(菌のエサを摂取)

善玉菌のエサとなる食材を摂取することで善玉菌の増殖また活性化に期待できます。代表的なものとして食物繊維やオリゴ糖が挙げられます。

それらを摂取することで、善玉菌の手助けを行います。具体的な食品として海藻、野菜、果物(特にバナナやリンゴ)、豆、芋、きのこなどに多く含まれています。もちろんサプリメントでも摂取は出来ますが、このように食材そのものにたくさん含まれますので、メインや汁物の材料として摂取いただけると良いかと思います。

また“プロ”バイオティクス(菌そのものを摂取)と“プレ”バイオティクス(菌のエサを摂取)を同時に行うことを“シン”バイオティクスと言います。食べ物は摂取してすぐに効果を感じにくいとお聞きすることもありますが、日々の積み重ねが大事になりますので、“シン”バイオティクスを意識して摂取することで免疫力を高めていきましょう。 

ヨーグルトの効果とは

腸内細菌を整えるために必要な食品については前項にてお話をしましたが、今回は発酵食品のなかでも皆さんが積極的に摂取される機会の多いヨーグルトについてお話しをいたします。

気軽に摂取しやすいヨーグルトですが、乳酸菌やビフィズス菌が豊富に含まれており、腸内環境を整えてくれる作用が期待できます。

そのような効果が期待できるヨーグルトですが、皆さんはどのくらいのペースで食べられていますか。実はヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌は、残念ながら摂取したからといって腸内に居続けてくれるわけではありません。そのため一度に大量に摂取してもあまり期待できませんので、出来るだけ毎日継続して食べていただくことがキーポイントになります。

更に効果をあげるためにヨーグルトにバナナやリンゴを入れていただくことで、善玉菌を摂取した上で、バナナリンゴに含まれるオリゴ糖が菌のエサになりますので効果的と言えます。このように菌とエサを同時に摂取する“シン”バイオティクスを意識していただくことで腸内環境を整え、寒い冬を乗り越える免疫力を高めていきましょう。

これからの季節には、免疫系をあげるためにはヨーグルトが有効となります。毎日、食べることように心掛けてください。

入江 ともみ

入江 ともみ(いりえ ともみ)

現職:ぼたん園 栄養管理課
主任代行

ぼたん園で管理栄養士として勤務しております。
病院での経験を15年経て、2023年度よりぼたん園にて介護現場におけるケア支援に携わっています。
ご利用者様の在宅生活への復帰を支援するべく適切な栄養管理に努めつつ、安全に楽しんで食べていただける食事提供を心がけております。

資格

管理栄養士、栄養士