HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

介護予防

転倒予防について

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はじめに

 

皆さん、最近歩いている時につまずいたり、転んだりした経験がありませんか?少しの段差に引っ掛かった事、平坦な場所でも足首が上がっていない事でつまずくなどの経験をされた方が多いと思います。 そこで、今回『転倒』に注目をしてお話をさせていただきます。

『転倒』は日常生活の中で誰にでも起こり得る事の1つであり、特に高齢者の方にとっては、大きな健康リスクになることはご存じと思います。転倒をすると大腿骨や背骨などの骨折や全身の打撲などの怪我はもちろんのこと、一度転倒するとその後も転倒するかもしれない恐怖心により、動くことが億劫になってしまう事があるかもしれません。

そのようなことがないようにするための注意点がいくつかあり、それを守ることで、転倒予防に繋がります。今回は、転倒の原因と転倒予防のためのポイントを紹介いたします。

 

転倒の原因

 

①加齢

年齢が上がると身体機能が徐々に低下をしていきます。特に、とっさの反射的防御動作が素早く行えなくなることや筋力、バランス能力、瞬発力、持久力、柔軟性が衰え、自分自身の予測する動作と現実の動作に齟齬が生まれて転倒を引き起こすことがあります。  

 

②病気や薬の影響

何種類かの薬を飲んでいると、内容によっては薬の作用、副作用により、立ち眩みやふらつきなどの症状が出ることで転倒を引き起こすことがあります。

 

③運動不足

運動をする機会が減ると、運動機能や感覚機能が弱まり、その結果として転倒を引き起こすことがあります。

 

 

 

 

転倒予防のための具体的な方法

 

1.生活環境の整備

〇カーペットの縁や電気コードを整理する ①

コードやカーペットの縁は足が引っ掛かってしまう事が考えられるので、なるべく壁際など歩く場所から遠ざけるようにしましょう。

 

〇床に物を置かない ②③

床に物が置いてあると、それを避けたりしなければいけませんし、物と接触したり踏んだりしてバランスを崩してしまうかもしれません。よって、必要のないものは床に置かないようにしましょう。

 

 

〇夜間の移動時にセンサー付きライトを活用する  

暗いと床に置いてあるものなどがわからないことで転倒の可能性が高まります。そこで、センサーライトなどを設置し、明るさを確保しましょう。ライトは手頃な値段で販売しているので、試しに使用してみるのはどうでしょうか。

 

 

〇玄関、階段、浴室、トイレなどに手すりの設置

段差や階段がある場所、立ち上がる・しゃがむなどの動作が必要な場所は、手すりなどの支えがあれば、転倒のリスクは減りますし、動作を行う時も安心です。また、1~2㎝の段差はつまずきやすいので、スロープもしくは手すりを設置しましょう。

 

 

2.適切な履物を選ぶ

〇踵のあるルームシューズを履く

スリッパはかかとがないため履きやすいデザインですが、ふとした瞬間に非常に脱げやすく、歩く時も足を床にすってしまいがちで、段差につまずきやすくなってしまいます。一方かかとのあるルームシューズであれば、かかとがしっかりと足についてきてフィット感があり、脱げる心配が減り、足の上がりも良くなります。

 

 

 

 

〇滑りやすい靴下を避ける

ご自宅では寒い時期は、靴下を履いて過ごされる事が多いと思います。靴下は滑りやすいですので、滑り止めなどがついている靴下を履くようにしてください。

 

 

 

3.適切な運動の実施

環境面だけでなく、筋力やバランス能力を鍛える運動を日常に取り入れる事が重要です。例えばウォーキングや軽いストレッチなど、短時間からでもいいので、運動をする事を習慣にしていく事で、転倒予防に繋げる事ができます。

下記に運動内容を載せていますので、チャレンジしてください。

 

 

 

4.健康状態の確認

皆さんは、自分の体の事はどのくらいご存知でしょうか?

やはり、体が資本といいますので、定期的に健康診断を受ける事やかかりつけ医での定期受診を行い、まず自分の身体状態を把握しましょう。必要に応じて、主治医の指示を確認して、体調管理をする事で、転倒しない身体作りをしていく意識をしていきましょう。

 

 

最後に

 

転倒予防のための予防対策のポイントをいくつかお伝えしました。

まだ他にも様々な方法があると思いますが、日常生活の中で注意してもらう方法として意識してみて下さい。

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村上 久美子

村上 久美子(むらかみ くみこ)

現職:ぼたん園 リハビリテーション室

2000年に理学療法士免許取得後、御幸病院リハビリテーション部に入職。回復期・地域包括病棟・一般病棟・外来リハ・訪問リハビリテーションに携わる。2021年よりぼたん園リハビリテーション室へ配属となる。 主に入所のご利用者のリハビリに関わらせていただいています。 生活期のリハビリテーションを通して、一人でも多くの方が在宅復帰に繋げられるように取り組んでいます。

資格

理学療法士