認知症って?
皆さん、「物忘れ」はしますか? 当然、老若男女、誰でも「物忘れ」はあります。 「物忘れ」=『認知症』とはならないことはご存知と思います。『認知症』とは「認知機能障害のため、それまで出来ていたことができなくなり、日常生活に支障ができる状態」を言います。
うつ病って?
日常生活の中で憂うつになったり、気分が落ち込んだりといった感情の波はだれでも経験することでしょう。そのような落ち込んだ気分は、原因が解消されたり、気分転換をしたり、ある程度時間が経過したりすることで次第に癒され回復していくものです。『うつ病』とは、「原因となっていた問題が解決しても気分が回復せず、日常生活に大きな支障を生じる状態」を言います。
認知症とうつ病の関係は?
高齢者の心と身体は、年齢と共に少しずつ変化していきます。その中で、「物忘れがふえた」「元気がなくなった」といった様子が見られたとき、多くの人がまず思い浮かべるのは「認知症」かもしれません。しかし、似たような症状を引き起こす「うつ病」である場合もあるのをご存じでしょうか?
認知症とうつ病は全く別の病気ですが、高齢者の場合、症状が重なって見える事もあり、誤解されやすいのです。
ここではその違いや見分け方、そして家族や周囲が出来る対策をわかりやすくご紹介します。
まずは、うつ病のチェック!をされてください
下記のうつ病に関するチェックリストをご覧ください。 簡単チェックリスト(家族や介護者向け) □最近、何をしても楽しそうではない □身体の不調を頻繁に訴える(頭痛・食欲不振・便秘など) □物忘れよりも、「やる気がない」「無関心」が目立つ □朝特に気分が悪そうで、夕方になると少し元気になる □将来について悲観的な発言が増えた(例:「もう長くない」など) □人との交流を避けるようになった *3つ以上当てはまる場合は、医療機関での相談をおすすめします。 |
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家族・介護者が出来る「うつ病」への対策
1.医療機関での診断を受ける。
まずは、老年精神科や診療内科への診察をしてください。
薬物療法やカウンセリングが有効な場合もあります。
2.「励まし」より「傾聴」
うつ病の人に「頑張って」と言っても逆効果になることがあります。
まずは「つらかったね」「話してくれてありがとう」と共感の姿勢を持ちましょう。
3.生活リズムを整える
毎朝、同じ時間に起きる
朝の散歩で日光を浴びる(セロトニンの分泌を促す)
バランスのとれた食事
昼寝は短めに(30分以内)
4.ムリのない範囲での交流
デイサービスの利用や地域の高齢者会など、孤立しない環境つくりが大切です。
趣味の再開(読書、編み物、園芸など)もリハビリになります。
最後に:本人の「声なき声」に気づいて
高齢者のうつ病は、「怠けている」「歳だから仕方ない」と誤解されがちです。しかし、うつ病はれっきとした心の病気であり、報知すれば生活の質を大きく損ないます。
「最近、ちょっと様子がおかしいなと」感じたら、それは大切なサインです。早めの対応が本人と家族の負担を軽くします。認知症との見極めに悩むときは、ひとりで抱え込まず、医療機関の支援窓口に相談してみましょう。
相談窓口、支援先は、 ・心療内科クリニック、病院 ・認知症専門クリニック、病院 ・地域包括支援センター(市町村の高齢者支援拠点) ・精神保健福祉センター ・認知症カフェ・家族の会 などです。 |
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