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栄養

野菜を摂るのが苦手・面倒な人が野菜を食べる習慣を作る方法

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野菜を摂るのが苦手、もしくは面倒であまり野菜を食べないものの、心のどこかでは「やっぱり野菜を食べた方がいいんじゃないか」とお悩みではありませんか。

野菜を食べる習慣がない場合、野菜よりもご飯やパン、もしくはお弁当など手軽に食べられるもので済ましてしまいますし、そもそも料理する習慣がないと野菜は遠のいてしまいがちです。

今回は野菜を摂るのが苦手・面倒な理由、野菜を摂取すべき理由や注意点、なるべく楽に、簡単に、野菜を食べる習慣を作る方法についてお話します。

 

 

 

野菜を摂るのが苦手・面倒な理由

 

 

はじめに野菜を摂るのが苦手・面倒な理由について解説します。

 

値段が高く、日持ちしない

野菜を摂るのが苦手・面倒な理由として、値段が高く、日持ちしないことが挙げられます。いざ食べようとすると値段が高いですし、コンビニやスーパーのサラダも量の割に少ないと感じてしまうこともあるでしょう。また、節約を考えて調理前の野菜を購入しようとしても、日持ちがしないために悪くしてしまったり、捨ててしまうことで罪悪感が出てしまったりすることもあります。

 

調理をする手間や時間が必要

野菜を摂るのが苦手・面倒な理由として、調理をする手間や時間が必要なことが挙げられます。

特に日々の生活が忙しい方の場合、野菜を食べるために調理をすること、野菜を食べないと健康に良くないと考えてしまうことがむしろマイナスになってしまうということです。また、特に栄養を考えずにカロリーや食べやすさだけで選べる食材が豊富なことも理由と言えるでしょう。

 

味や食感が苦手、食欲がわかない

野菜を摂るのが苦手・面倒な理由として、味や食感が苦手、食欲がわかないことが挙げられます。人によっては野菜の自然な甘さや美味しさを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、苦手な方からすれば、味も食感も苦手ですし、食欲の対象となる食材とは感じられないことが原因です。単純に嫌いなものを勧められても困ってしまうという状況と言えます。

 

そもそも野菜を食べる習慣がない

野菜を摂るのが苦手・面倒な理由として、そもそも野菜を食べる習慣がないことが挙げられます。野菜を食べる習慣がないというのは、野菜を中心とした食事の習慣がないという意味であり、よく見ればお弁当でも普段の食事でも野菜は入っているけれども、健康的に過ごせる摂取量としては足りないということです。実際に1日の摂取量を食べようとすれば、それなりの量の野菜を食べなければならないのも習慣が根付かない理由と言えるでしょう。
野菜を食べる必要性が感じられない

野菜を摂るのが苦手・面倒な理由として、野菜を食べる必要性が感じられないことが挙げられます。例えば、低血糖の時に糖分を取らなければ大変なことになるような状況になる栄養素であれば、誰もが積極的に摂取するでしょう。しかし、野菜を食べた方が良いという程度の認識のままですと、やはり必要性を感じられず、習慣が根付かないのも仕方がないと言えます。

 

 

 

野菜を摂取すべき理由や注意点

 

 

野菜には、それぞれ様々な栄養素が含まれています。多種類の野菜の多 様な成分が相互に作用しあって、体内で多くの大切な働きをしています。 そ こ で 健 康 を 維 持・増 進 するためには 、1 日に3 5 0 g以 上の野菜をとることが推奨されています。

 

野菜摂取の利点
★食べすぎを防ぐ: 満腹感を得られやすく、 糖尿病予防の強い味方。
★腸内環境改善: 食物繊維が腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整え、便秘を防ぎます。
★加齢やストレスに対抗し、がん予防も:野 菜 のカロテン、ビタミンC・Eは、抗酸化作用が強く、活性酸素を除去します。また、野菜の色素が抗酸化作用の強い物質として注目されて います。リコピン、ルテイン、アントシアニンなどがその例です。
★脂質改善:水溶性食物繊維は血糖上昇抑制、 コレステロール値や中性脂肪値 を低下させる働きがあります。
★血圧上昇抑制:野菜に豊富なカリウムは余分な ナトリウムを体外に出し、血圧 上昇を抑制する効果があります

 

【野菜の機能性成分・ファイトケミカル】

ファイトケミカルとは 、野菜、果物 、穀類 などの植物性食品の色素、香り、 アクなどの成分から発見された物質で、感染予防、抗酸化作用、がん予防の 効果が期待されています。下の表にファイトケミカルの種類とそれを含む野 菜を示しました。 5大栄養素の糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル以外に、食物繊維が第6の栄養素として、さらにファイトケミカルが第7の栄養素として考えられるほど、最近では注目されています。

  

【抗酸化作用とファイトケミカル】
人間にとって酸素は必要不可欠なものです。しかし、そのうち数パーセントは体内で「活性酸素」といわれる酸素に変化します。活性酸素の体内での 産生量が多くなると、健康な細胞に悪影響を与えて、動脈硬化、心筋梗塞、 糖尿病、がんなど様々な病気の発症に関係すると考えられています。 活性酸素の発生を抑制、または消去する作用のことを抗酸化作用とい います。ビタミンA・C・Eなどに加え、カロテノイドやポリフェノールなどの ファイトケミカルには抗酸化作用があります。そのため、抗酸化作用の成分 を含む野菜は、生活習慣病の予防に効果があると期待されています。

 

 

 

なるべく楽に、簡単に、野菜を食べる習慣を作る方法

 

 

次になるべく楽に、簡単に、野菜を食べる習慣を作る方法について解説します。

 

おかずや主食の1品を野菜に置き換える

まずは普段食べている食事の一品を野菜に置き換えることから始めてみましょう。最初は小さなサラダに変えてみたり、お新香などの一品に変更することを試してみてください。もしくはいつもおにぎりを2つ、パンを2つ食べるなら1つをサラダに変更してみるなど、簡単にできることから始めることが大切です。そのため、野菜を食べたいけどサラダが見つからない時は野菜ジュースで置き換えるなどして調整してみましょう。ただし、野菜ジュースを取り入れる時は、どんな野菜や果物が入っているのかを必ずチェックし、自分自身や家族のアレルギーに該当する食材が含まれていないかを確認するようにしてください。

 

コンビニのサラダを活用する

毎日サラダを準備するのが難しいという方の場合は、ちょっと割高ですがコンビニのサラダを活用するのもおすすめです。主食の部分をサラダパスタに置き換えてみても良いでしょう。おつまみと一緒に野菜スティックを購入して食べるのも非常に手軽です。また、無理にサラダに置き換えなくても、おにぎりの代わりにレタスの入ったサンドイッチにするだけでも構いません。コンビニであれば鮮度を気にする必要もなく、野菜を買いだめしておくことの日持ちの心配も必要ありません。慣れてきたら自分自身でサラダを作って持っていけるようにしましょう。

 

スーパーのカット野菜もおすすめ

コンビニのサラダの量では足りない、もしくは家族の分も用意する必要がある場合は、スーパーのカット野菜を使ってみるようにしましょう。スーパーのカット野菜はコンビニよりも量が入っていますし、野菜を買うよりも割安に手に入ります。お皿に盛り付けてドレッシングをかけるだけですぐに食べられるお手軽さもおすすめの理由です。ドレッシングは家族の好みに合わせていくつか用意しておくことで、自分の好きな味付けで野菜を食べてくれるようになるのも期待できます。

 

カット済みの冷凍野菜を取り入れてみよう

コンビニのサラダやスーパーのカット野菜に慣れてきたら、次はカット済みの冷凍野菜を取り入れてみましょう。

例えば、ほうれん草の場合は冷凍されている状態で醤油や塩をまぶすことで、おひたしのように食べることができます。カットされた玉ねぎやブロッコリーなどの冷凍野菜もあるため、レンジで解凍してドレッシングをかけることで、温野菜のような食べやすさで野菜を食べられるのでおすすめです。

 

そのまま食べられる生野菜に挑戦

次の段階としてきゅうりやトマト、レタスやキャベツ、セロリなど、手でちぎるか、キッチンバサミで簡単にカットして食べられるものに挑戦してみましょう。

最初に大きなサイズや量で購入すると余らせてしまいますので、半分や1/4のサイズから始めるのがおすすめです。生の野菜であれば味噌やマヨネーズ、ドレッシングなどお好みの調味料で簡単に美味しく食べることができます。特にきゅうりやトマトは旬の時期であれば、そのままかじっても美味しい食材ですのでぜひ試してみてください。

 

カットして温野菜に挑戦するのもおすすめ

そのまま食べられる生野菜でカットに慣れてきたら、次は皮をむいたり、そしてカットして温野菜に挑戦してみましょう。

じゃがいもや人参、ブロッコリー、とうもろこし、ベビーコーンなど、蒸すだけで食べられる食材をいっぺんに蒸して食べてみるのがおすすめです。

温野菜は柔らかく食べやすくなっているので、たくさんの量を食べられますし、カロリーが低いのでダイエットにも向いています。蒸す時に一緒に薄切りにカットされた豚肉や鶏肉を蒸すことで、野菜の栄養と肉のタンパク質を簡単に取ることが可能です。

 

鍋やラーメンなどは洗い物も少ない

カットして温野菜にするのに慣れてきたら、鍋料理に挑戦したり、麺を入れてオリジナルラーメンなどを作ってみたりしましょう。

鍋物やラーメンであれば洗い物も少ないですし、すぐに食べられて味付けも難しくないのでおすすめです。

野菜は無理に食べようとするよりも、普段食べているものに少しつけたしてみたり、野菜を中心とはするものの、自分の好きなものと一緒に調理すると習慣にしやすくなります。また、同じ要領でカレー、シチュー、ハヤシライス、肉じゃがなど、味付けのみが違うものに挑戦してみると、料理が意外と簡単だと実感できるようになり、料理に興味を持つこともできるようになるでしょう。

 

慣れたら旬の野菜の煮物や炒め物をしてみよう

野菜のカットや皮むき、煮込んだりすることに慣れてきたら、旬の野菜の煮物や炒め物をしてみましょう。野菜だけでなく豚肉や鶏肉、牛肉などを使うことで様々な料理ができるようになります。春は春キャベツのロールキャベツ、夏であれば夏野菜カレー、秋であれば蒸したさつまいも、冬であれば白菜のミルフィーユ鍋など、あまり難しく考えすぎず、スーパーの店頭でおすすめされている料理、またはSNSなどでおすすめされている時短レシピなどに挑戦してみてください。

 

 

 

まとめ

 

今回は野菜を摂るのが苦手・面倒な理由、野菜を摂取すべき理由や注意点、なるべく楽に、簡単に、野菜を食べる習慣を作る方法についてお話しました。

野菜を食べようと思うストレスそのものが体に悪いということもありますので、まずは野菜を食べなきゃいけないと考えることをやめてみましょう。その上でスーパーやコンビニに行った時に、まずは野菜コーナーから見て、次に惣菜で野菜のある商品を手に取ることを心掛けてみてください。

少しずつでも料理をしようと考えたら、あまり面倒なことから始めないこと、少し切ってみたり、少し切ったものを調理するなど、自分ができそうなことから始めて、少しずつ料理に慣れていくことから始めることをおすすめします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が日々の生活に野菜をもっと取り入れたいとお悩みの方のお役に立てれば幸いです。

 

 

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田邊 史子

田邊 史子(たなべ ふみこ)

現職:御幸病院 栄養管理科 科長

平成6年介護老人保健施設 ぼたん園(日清医療食品事業所)入職。平成8年 御幸病院栄養管理科を経て、現職。みゆきの里の理念である『食から疾病予防』の考え方を基本に、患者様の栄養管理や栄養食事指導を行っている。平成19年より料理研究家・辰巳芳子先生の「作り手から相手の心へ伝わる命を支えるスープ」の考え方、辰巳先生の弟子である大分県由布院の名旅館玉の湯・山本照幸料理長(現・みゆきの里総料理長)から実践方法を学び、みゆきの里の栄養士・管理栄養士等と、各施設内でスープを提供している。

資格

管理栄養士、がん病態栄養専門管理栄養士、NRサプリメントアドバイザー、栄養経営士、在宅訪問管理栄養士