「毎日、同じことばかりで変わらない日々が続いている」「自分の成長や時間の流れが停滞しているようだ」とお悩みであれば、ガーデンセラピーを通じて、植物と過ごす時間を作ってみてはいかがでしょうか。
自然と触れ合い、心身の健康を促進させるガーデンセラピーは、そんなあなたの心にそっと寄り添い、癒やしを与えてくれます。また、人とは違ったコミュニケーションから、様々な体験やストレスの解消にもつながっていくでしょう。
今回はガーデンセラピーで植物と過ごす時間がどのように大切なのかを理解し、普段の生活にガーデンセラピーを取り入れていただくために、人と植物の違いや共通点、植物と過ごす時間が大切な理由、そしてガーデンセラピーで植物と過ごす時間の始め方についてお話しします。
人と植物の違いとは?
はじめに植物と過ごす時間をおすすめする理由を理解していただくために、「人と植物の違い」について解説します。
呼吸:植物は酸素を出し、人は二酸化炭素を出す
植物と人が共存する際、大きな違いの一つに酸素と二酸化炭素の部分があります。ご存知の通り人は酸素を吸って二酸化炭素を出し、植物は二酸化炭素を吸って酸素を排出します。すなわち、実は切っても切れない関係にあるということです。
ガーデンセラピーを通じて、植物と人の関係性が日々感じられるようになれば、その他の物事においてもお互いが関係しているということ、知らないところで支え合っているということに気がつくことができるようになります。
生きる場所:根を張る植物、歩く人
植物と人では、生きる場所の違いも明確です。人は自由に歩くことができますが、植物は根を張り、自由に動くことはできません。もちろん、花粉や種子を飛ばすことで離れた場所の同じ植物と配合することは可能ですが、そこに意志はなく、ほとんどは運任せと言えるでしょう。
また、人は気候に合わせて服装や温度の調整をすることはできますが、植物はその場所の自然の影響をそのまま受けてしまいます。適正の気温や発芽の気温及びタイミングなども様々であり、ガーデンセラピーをする際においても様々な学びを得ることができるようになるのです。
成長のスピードと寿命:短命から長寿まで様々
人の一生には限りがあり、その成長のスピードも、幼少期から老年期へと緩やかに変化していきます。しかし、植物の世界に目を向けると、その成長のスピードと寿命は実に様々であり、数週間で花を咲かせ枯れてしまう儚い命もあれば、数百、数千年を生きる巨木も存在するという大きな違いがあるのです。
様々な成長のスピードや寿命があることを知ることで、人としてもお互いの成長に違いがあることを感じられるようになるでしょう。同じく、様々な理由で寿命が異なることが感じられるようになり、お互いの命を尊重できる可能性も高まります。
コミュニケーション:言葉のない植物、語る人
コミュニケーションの有無も植物と人の違いと言えるでしょう。植物に心があるか、もしくは人が感知できない言語などがあるかは別として、少なくとも植物が人の言葉を話すことはありません。コミュニケーションがなくても受粉などを行っていますし、種子によって遺伝子が残されていく仕組みも備わっています。
また、言語はなくても植物の状態などから、植物はどんな状況なのか、健康なのかは計り知ることはできます。例えば、葉っぱが枯れていたり、全体的に元気がなかったりする時、人に手当てするかのように対処していくことで、少なくとも優しくポジティブな気持ちポジティブな気持ちで行動することができるようになるのです。
人と植物に共通する自然の要素を知る!
次に人と植物に共通する自然の要素について解説していきます。
太陽の恵みを必要とする
人と植物の共通点として、太陽の恵みを必要とすることが挙げられます。太陽の光は私たち人にとっては体内でビタミンDを生成したり、体内時計を整えたりする上で欠かせないエネルギー源です。また、精神的な安定にも繋がると言われています。何よりも陽による熱がなければ地球上で生きていくことはできません。
一方、植物にとっては光合成を行うための生命線でもあります。太陽光を利用した光合成によって二酸化炭素と水から栄養を作り出し、成長していきます。ガーデンセラピーで植物を育てることは、この太陽の光の重要性を改めて感じさせてくれるでしょう。
水分がなければ生きていけない
人と植物の共通点として、水分がなければ生きていけないことが挙げられます。私たちの体の約60%が水分でできているように、植物もまた、その体の多くを水分が占めています。水は、人にとっては体温調節や栄養の運搬など、植物にとっては光合成の原料や細胞の維持に不可欠です。
ガーデンセラピーで植物に適切な水を与えることは、生命を維持する上で水がいかに大切かを、日常的なお世話を通して教えてくれます。
成長し変化していく
人と植物の共通点として、成長し変化していくことが挙げられます。私たちは、幼少期から青年期、壮年期、老年期へと、時間をかけて成長し、外見や内面も変化していきます。植物は種から芽を出し、茎を伸ばし、葉を茂らせ、花を咲かせ、実を結ぶといった段階的な成長を遂げます。
ガーデンセラピーで植物の成長を観察することで、植物の小さな変化の中に生命の力強さを感じることができるようになるでしょう。同様に自分自身も成長し変化していくこと、小さな変化を少しずつ感じ取ることができるようになることも魅力と言えます。
世代を超えて生きる営み
人と植物の共通点として、世代を超えて生きる営みがあることが挙げられます。私たち人間は、それぞれの人生を生き、次世代へと文化や知識、そして命を繋いできました。植物もまた、花を咲かせ、実を結び、種子を散布することで、環境に適応しながらその命脈を繋いできました。
ガーデンセラピーで植物の一生を観察することは、個々の命の儚さだけでなく、連綿と続く生命の壮大な流れを感じさせてくれるでしょう。それは、私たち自身の存在もまた、この大きな営みの一部であることを教えてくれます。
なぜ植物と過ごす時間が大切なのか?
次になぜ、ガーデンセラピーや植物と過ごす時間は大切なのかについて解説していきます。
世話をすることが心を癒す
植物と過ごす時間が大切な理由として、植物のお世話をすることで心が癒されるということが挙げられます。土に触れる、水をあげる、葉を拭うといった一連の作業に集中することで、日々の雑念から解放され、心が穏やかになるのを感じることができるのが理由です。
植物の成長を間近で見守り、手をかけることで、小さな変化に気づく喜びや、生命を育む喜びを感じることができるようになり、まるで小さな命と向き合うような、優しく温かい時間となるでしょう。
生活のリズムが自然と整う
植物と過ごす時間が大切な理由として、生活のリズムが自然と整うことが挙げられます。植物の成長には、適切な水やりや日光浴など、規則的な世話が欠かせません。植物の世話を日々の生活に取り入れることで、自然と生活にリズムが生まれます。
また、季節の移り変わりと共に植物の様子も変化するため、自然のサイクルを感じながら生活を送ることができるようになるため、心身のバランスも整いやすくなり、より健康的な毎日を送るきっかけになります。
時間の流れをじっくりと感じる
植物と過ごす時間が大切な理由として、時間の流れをじっくりと感じることが挙げられます。目に見えてすぐに変化するわけではない植物の成長を、注意深く観察することで、時間の流れの速さだけでなく、ゆっくりと変化していく過程をじっくりと感じることができます。
それは、日々の忙しさの中で忘れがちな、ゆったりとした時間を取り戻し、心に余裕を生み出すでしょう。植物の静かな成長を見守る時間は、私たち自身の内面と向き合うことにも繋がります。
成長の実感が自信につながる
植物と過ごす時間が大切な理由として、成長の実感が自信につながることが挙げられます。種から育てた植物が芽を出し、少しずつ大きくなっていく様子を目の当たりにすることは、ポジティブな達成感を与えてくれます。
自分の手で育てたものが成長していくという成功体験は、自己肯定感を高め、新たな挑戦への自信にも繋がるでしょう。小さな成功体験の積み重ねが、やがて大きな自信へと繋がっていくということです。
言葉がなくても良いパートナー
植物と過ごす時間が大切な理由として、言葉がなくても良いパートナーになることが挙げられます。喜びや悲しみ、誰にも話せない悩みなど、心の内をそっと打ち明けられる存在として、植物は静かに寄り添ってくれます。
言葉によるコミュニケーションはありませんが、その存在自体が私たちに安らぎを与え、ポジティブで有意義な関係性をもたらしてくれるでしょう。ただそばにいるだけで、心が癒され、人間関係とは違った特別な関係を築くことができるのです。
ガーデンセラピーで植物と過ごす時間の始め方
次にガーデンセラピーで植物と過ごす時間の始め方について解説していきます。
季節に合わせて身近な場所からスタートしてみましょう
ガーデンセラピーは、始める季節に合わせてキッチンやリビングなど身近な場所から始めるのがおすすめです。特に種から育てたい場合は、発芽に適した時期や季節があるので必ず事前に確認しましょう。季節に合った植物を選ぶことで、スムーズに育て始めることができます。また、すでに咲いている状態の季節の花など、一定の期間で枯れるものを選んで季節ごとに定期的に入れ替えてみても良いでしょう。
育てやすく丈夫な植物を選ぼう
初めてガーデンセラピーをする場合は、育てやすく丈夫な植物を選ぶことから始めてみてください。すでに成長していて、水を与えるだけで比較的育てやすい小さな観葉植物も良いでしょう。まずは枯らしにくい植物で、育てる楽しさを体験してみましょう。購入する前にどのような植物かを情報収集しておき、暑さや寒さ、太陽光の強さや弱さなどもチェックすると丈夫な植物が分かりやすいです。
100円均一などの最低限の道具で気軽に始めてみる
ガーデンセラピーを始める時は、100円均一などの最低限の道具で気軽に、お安く始めるのが非常におすすめです。100円均一によっては、小さな観葉植物が売っていることもあるので、それを購入してみるのも良いかもしれません。また、スコップなどの道具だけでなく、肥料や栄養剤なども売っていることがあるのでチェックしてみてください。
自分の空間に緑を少しずつ増やしていこう
ガーデンセラピーは、自分の空間に緑を少しずつ増やしていくことが大切です。いきなり多くの植物を育てようとすると、世話が負担になることもありますので、まずは1つから始め、慣れてきたら徐々に増やすことで、無理なく楽しむことができます。また、最初の段階では同じような丈夫さの植物から始めていくことで、徐々に緑を増やすペースやパターンなどもつかみやすくなるでしょう。
焦らず楽しむこと、失敗しても続けること
ガーデンセラピーは、焦らずに植物の成長をゆっくりと楽しむことが重要と言えます。もし植物が枯れてしまっても、それは決して終わりではありません。失敗から学び、また新しい植物に挑戦する気持ちで続けることが大切です。そのため、いきなり種から、観葉植物からと考えるのではなく、花屋さんで売っている花を花瓶にさせて眺めることから始めてみても良いですね。
まとめ
今回はガーデンセラピーで植物と過ごす時間がどのように大切なのかを理解し、普段の生活にガーデンセラピーを取り入れていただくために、人と植物の違いや共通点、植物と過ごす時間が大切な理由、そしてガーデンセラピーで植物と過ごす時間の始め方についてお話しました。
人と植物は違う部分もあり、同じような部分もあることから、一緒に生活の中で過ごしていくことで様々な発見が生まれるようになります。少しずつの変化が感じられるようになれば、自分自身の時間の経過も体感しやすく、ほんの少しの学びが成長につながることも大切に感じられるようになるでしょう。
まずは簡単に育てやすく、丈夫な植物を小さな規模から始めて、植物を眺めること、世話をすることを体験してみることをおすすめします。
みゆきの里全体で、食と農業の結び付きを身近に感じていただき、栽培の楽しさと収穫の喜びを感じてもらう試みとして、ガーデンセラピーに取り組んでいます。
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