あなたにとっての「暮らしの場」はどのような場所で在りたいですか?
□仕事から帰って落ち着く場所。
□ほっと静かにくつろぐ場所。
□家族と笑い合える場所。
□きれいに片付いている場所。
など、「ご自宅」「施設」「病室」なども含め、様々な理想の“暮らしの場”があるかと思います。
落ち着く場所のはずが・・痒みや咳が・・。
自宅でゆっくりと落ち着く時間を過ごしたいけど、ハウスダストが原因で痒みが出たり、咳が出たり・・。
なんか体が芯から休まらず、落ちつかない。そんなことはありませんか?
『ハウスダストとは、1mm以下の目に見えないものを指し、ダニ、カビ、人や動物のフケなどのアレルゲンが混ざった室内の塵』です。
特に、今のような梅雨やこれからの夏場の季節は、「高温多湿」となり、ダニやカビにとっても、繁殖に絶好の季節となります。
ダニやカビが繁殖すると、またさらに皮膚のかゆみや咳など体調不良をきたす可能性も高くなります。
この記事では、痒みや咳なども含め、居心地の悪さを引き起こすような環境とはさよならして、心地よく、心身共にゆっくり過ごせる暮らしの場をつくるヒントをお伝えできればと思います。
暮らしの場を整える片付けや掃除・・でも億劫・・。
“暮らしの場を整える・・・。”
「わかってはいるけど、きついし。」
「疲れてるし。」「そこまで余力がない。」と思うことはありませんか?
「あー・・。億劫だなあ。」と取り掛かるまでに時間がかかる。
そのようになかなか気持ちが上がらない時には、アロマテラピーお掃除法がおすすめです。
ほのかに優しく香る植物の香りが、気分を上げて「いい香り~。なんか掃除が楽しくなってきた。」と自ずと気持ちが上がり、いつのまにか掃除がはかどっている。ということもあります。実際の活用例は後半にまとめてお伝えいたしますね。
『化学物質過敏症』で、掃除用洗剤や消臭スプレーの活用も体に負担が・・。
時間に追われがちな現代社会で、より楽に暮らせるようたくさんの化学製品が多く存在しています。“楽な時間”を得られるようになったメリットの一方で、人工的に作られた化学物質が体内に蓄積され、その代謝と体の外への排泄が追いつかず、ちょっとした化学物質に過敏に反応し、頭痛、吐き気、気分不良など体調不良をきたす現象も昨今多く見受けられています。アロマと呼ばれるものにも、人工的に加工してあるアロマも存在します。香害と呼ばれる言葉も少しずつ耳にするようになっています。
「化学物質過敏症」を発症されている方が活用するアロマテラピーとしては、天然100%の自然由来の精油を活用することをお勧めいたします。人工的な加工や除去、農薬なども混じっていない天然100%の自然由来の精油ですと、香り自体も数時間で揮発し、肝臓での代謝も緩和に進むため、お体への負担が少ないかと考えます。
みゆきの里内の医療・介護施設でも普段扱っている精油は、人工的な加工や除去をしておらず、農薬も検出されていないことが1本1本証明されている天然100%の精油(プラナロム社のケモタイプ精油)を扱っております。
せっかくの香りも、人工的なものでお体の代謝に負担がかかってしまってはもので元も子もないですからね。
カビって何?
カビとは、「真菌」の一種です。球形や長方形のカビ(酵母型)もいれば、細長く、糸のようなもの(菌糸)を伸ばしてそこから胞子を空気中に放ち増殖していくカビもいます。暮らしの場の中で、カビの胞子を大量に吸入すると咳、痰、痒みなどアレルギー症状が出始める可能性もあります。進行するとアレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎、喘息などの症状悪化につながることもあります。
カビは水回りが好きで、浴室、洗面所、トイレ、また、湿気のこもりやすいクローゼットや靴箱・・・。
「ぬるぬるした洗面所」「玄関からの靴の臭い」「かび臭い衣類」などは、今のうちからカビ予防対策をして、すっきり爽やか気持ちがいい空間にしたいものですね。
カビ予防に活用したい精油
カビ予防と聞いて、精油候補として頭に思い浮かべるのは「抗真菌作用」です。
実際に、水回りに発生するカビの活性を調べた研究もあります。研究結果として、カビの菌糸の成長が阻害された精油として「クローブ精油」「ローズ精油」であったとのことでした。
また、足白癬(水虫)には「レモングラス精油」「オレガノ精油」などが白癬菌の生育を阻止したという研究結果も出ています。こちらの研究はアロマトグラム法と言って、シャーレで培養した菌に精油を垂らしてどれくらいの阻止円(菌が繁殖していないエリア)があるかどうかを調べる方法で研究された結果です。
他にも研究結果では有効な精油がありますが、今回はNARD JAPAN認定アロマ・アドバイザーコースでも出てくる精油を挙げさせていただきました。
カビ予防に活用したい抗真菌アロマテラピー
カンタンおすすめ重曹アロマパウダーの活用
- 重曹(食品用グレード) :45g
- 精油 :2~5滴
(精油候補)
レモングラス/レモン/オレガノ/オレンジ・スイート/ティートゥリー
※重曹のグレードは、医療用、食品用、工業用などがあり、活用の目的や場所に合わせて選択します。
※アルミ製品に使用すると黒ずんでしまうため、使用しない。
●トイレの消臭と掃除に
重曹パウダーをそのままトイレに置いておく。消臭と芳香効果がなくなったら掃除に活用。
→トイレはどうしても、「臭い」が気になる場所。入った第一印象の空気感って大事ですよね。消臭に役立てて、その役割が終わると、清潔感の維持として掃除に活用できるなんてとても重宝したい一品です。
●水回り(台所や洗面台、トイレの便器、お風呂など)の掃除に
スポンジで湿らせて磨くだけ。
→私も重曹パウダーで洗面台を磨きますが、白く輝きを増す洗面台になると、ホテルに来たような気分になり、見るだけでその白さをキープしたくなり、他のところまで掃除したくなるという気分の相乗効果も得られますよ。
●靴箱の湿気とり、靴の消臭に
パウダーを不織布などに包み、靴や靴箱に配置するだけ。
→梅雨やこれからの夏場。特に一日終わりの「お疲れ様の臭い」が『うっ・・。』となることも否めないですよね。その日の臭い菌はなるべく持ち越さず、その日のうちに対処!また次の日もさわやかに「いってらっしゃい!」としたいものですよね。
気分も上げて、清潔感も得られる重曹アロマパウダーぜひおすすめです!!
みゆきカレッジでは、ベイシック(ハウスケア)コースを開講し、実際に重曹パウダーを作成したり、爽やかな香りのクリーンスプレー、家具用ワックスなど全5品を作成し、精油についても学べるコースも開講中です。ご希望の日時と調整し開講可能です。ぜひ一度お問い合わせください。
気分をすっきりさせながら水拭き掃除
ハーブウォーターの活用も実はおすすめ!
- ペパーミントウォーター
- ティートゥリーウォーター
- レモングラスウォーター など
気分をすっきりさせながら掃除をしたいとき。掃除が億劫な時に「香り」が少しでもあると気分が上がる場合もあります。
私の経験談としては、すかっと爽やかさを感じさせるペパーミントウォーターは、
床の拭き掃除をするのに気分を上げてくれます。
窓の冊子やクローゼット、トイレの床など、「拭き掃除」が億劫な時。
ただの水拭きよりも「香り」がほんの少しプラスされるだけで、気分があがります。
さらに香りの成分の作用も活用できますから、清潔感のある暮らしの場をつくる相乗効果も期待できます。
香りに導かれながら、いつのまにか掃除が止まらなくなっていることもありますよ!
「掃除面倒くさいなあ~。」「億劫だなあ~。」と感じていらっしゃる方はぜひ一度お試しいただければと思います。
最後に
“暮らしの場”を整えることは、気持ちよさを味わえるだけでなく、健康面でも大切なことと言えます。
こころも気持ちよく、体も健やかに。
そんな環境づくりのためにアロマテラピーがお役に立てる場合もあるということを知っていただければ嬉しいです。
今回ご案内した、天然100%の精油やハーブウォーターなどはオンラインショップ「テノモス」にて取り扱っております。
今回「6:カビ予防に活用したい精油」の項目でご案内した抗白癬研究に携わっていらっしゃる安部茂先生(帝京大学名誉教授 医真菌研究センター元所長 抗菌アロマ研究会代表)を2025年10月4日(土)にみゆきの里にお招きし、講演していただくこととなりました。アロマテラピーと抗菌などの繋がりについても学べるとても貴重な機会となっております。初めての方こそ大歓迎です。興味のある方はぜひご参加いただくと、健康に活用するアロマテラピー知らなかった世界が広がるのではないかと思います。
また詳しい内容につきましては、みゆきカレッジにて今後情報配信させていただきます。
みゆきの里内ケアハウス「ピオニー」では、入所者の方を対象に『住まいの衛生情報~健康で快適な住まい方~』についての勉強会も開催されました。その時の様子はこちら。
熊本市出前講座を受講しました。 – ケアハウス ピオニーガーデン | 健成会 | みゆきの里
参考文献:
Chemotype Aromatherapyケモタイプ・アロマテラピー
Jun.2025 Vol:176 (NARD JAPAN)