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食材選び

保存も時短も叶える「冷凍」を考えた食材選びの基本

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保存も時短も叶える「冷凍」を考えた食材選びの基本

 

「食材のストックが大変」「時短でもっと料理を楽にしたい」とお悩みであれば、保存も時短も実現する「冷凍前提」の食材選びをしてみてはいかがでしょうか。

食材に関する冷凍の基本を理解することで、買い物の回数を減らすことにもつながり、食材を無駄にせずに済むので非常におすすめです。ただ単に食材を冷凍するのではなく、選び方や扱い方を少し工夫するだけで、より効率よく日々の食事づくりを進めることができます。

今回は、冷凍が保存や時短を楽にする理由、冷凍を前提とした食材選びの基本、そして冷凍食材を扱う時の注意点についてお話しします。

 

 

冷凍が保存や時短を楽にする理由

 

冷凍が保存や時短を楽にする理由

はじめに、なぜ冷凍が「保存」や「時短」に役立つのか、その基本的な理由について整理しておきましょう。冷凍という方法を正しく活用することで、毎日の食事準備をより効率的に進められるようになります。

 

食材の下処理が省ける

冷凍食材を直接購入する場合、すでに下処理が施されている点が時短につながる大きな理由の一つです。冷凍野菜や冷凍肉などは、あらかじめカットや下茹でがされていることが多く、包丁やまな板を使う手間が省けるため、忙しい日の調理時間を大きく短縮できます。

また、冷凍前提で購入した食材であっても、自宅で下処理を行い、使いやすい量に小分けしておくことで、必要なときにすぐ調理を始められるようになります。ご自身やご家族の食事量に合わせて分量を調整できるのも、冷凍食材を上手に扱うための大切なテクニックと言えるでしょう。

さらに、カレー、肉じゃが、シチューなどに使う共通の野菜や肉を組み合わせて、最終調理の直前まで下ごしらえをして冷凍しておくのもおすすめです。味付けは調理時に加えるだけで済むため、手軽にバリエーションのある献立に仕上げられるのも冷凍の強みです。

 

余った食材が無駄になりにくい

料理においては、買い物と保存が意外と手間や労力を要する工程です。それに加えて、食材を余らせたり腐らせてしまうと、せっかくの費用も無駄になってしまいます。料理や買い物にかかる手間や労力を減らし、無駄な出費を抑えられることも、冷凍を取り入れる大きな理由の一つです。

冷凍をうまく活用することで、まとめ買いした肉や野菜も効率よく使い切ることができ、無駄な出費を抑えることにもつながります。冷凍前提として食材選びをすることで、その時のレシピ以外の食材をお得に購入できるのもおすすめの理由と言えます。

 

【冷凍庫の保管・消費(賞味)期限について】
冷凍庫の食材は、食肉類・魚介類・野菜類など食材の分類ごとに分けて衛生的に保管。
消費(賞味)期限も切れないように、消費(賞味)期限を目立つように記載したうえで短いものは先出しできるように保管しましょう。

 

また、食材によってはさまざまな料理に応用できるため、ほんの少し余った食材でも冷凍しておけば、次の料理に活用できます。たとえば、初めに想定していたレシピに使い切れなかった食材でも、「野菜炒め」や「スープ」などに加えることで、無理なく使い切ることが可能です。買った時点での使い道にとらわれず、冷凍してストックしておくことで、献立に悩んだときの助けにもなるでしょう。

 

電子レンジと組み合わせると便利

冷凍食材は、解凍してから調理するだけでなく、電子レンジと組み合わせることでさらに便利になります。たとえば、あらかじめ野菜と肉を別々組み合わせて冷凍し、専用の耐熱容器に入れて電子レンジで加熱したあとに味付けをすれば、それだけで一品料理が完成します。解凍や炒める手間が省けるうえ、洗い物も少なく済むため、大きな時短につながります。

また、市販の調理済み冷凍食品をうまく活用することで、さらなる時短や節約にもつながります。特に、朝の忙しい時間帯や、料理をする元気がないときなどに、電子レンジで温めるだけで食べられる手軽さは、大きな魅力のひとつです。さらに、冷凍食品の中には、解凍の必要がなく、そのままお弁当箱に詰めて自然解凍で食べられるタイプもあります。こうした商品を取り入れることで、毎日の準備がより効率的になるでしょう。

加えて、炊飯器やホットクックなどの調理家電を活用するのもおすすめです。冷凍しておいた食材を使って、スイッチひとつで煮込み料理や蒸し料理が完成するため、さらに手間を減らすことができます。電子レンジと併せて、こうした家電を上手に取り入れることで、冷凍食材の使い道はより広がります。

 

 

冷凍を前提とした食材選びの基本

 

冷凍を前提とした食材選びの基本

次に、冷凍を前提とした食材選びの基本についてご紹介します。あらかじめ冷凍を意識して買い物をすることで、保存しやすさや使いやすさが大きく変わってきます。ここでは、どのような点に注目して食材を選べばよいのかを整理していきましょう。

 

冷凍に向く食材と向かない食材

冷凍を前提とした食材選びの基本として、冷凍に向く食材と向かない食材を見極めることが大切です。ただし、ここで紹介するのはあくまでも一例です。食材によっては、冷凍に向く場合と向かない場合もありますので、冷凍する前には一度ご自身で確認することをおすすめします。

冷凍に向く食材

● 肉類(鶏肉、豚肉、牛肉など)
● 魚類(鮭、たら、さばなど)
● 根菜類(にんじん、大根、ごぼうなど)
● きのこ類(しめじ、えのき、まいたけなど)
● 葉物野菜(ほうれん草、小松菜、春菊など)
● ごはん・パン・うどんなどの主食類

 

上記は冷凍に向く食材の一例です。これらの食材は冷凍しても比較的品質が保たれやすく、調理にも使いやすいものです。特に葉物野菜は、一度下茹でしてから冷凍することで、風味や色味をキープしながら保存できます。ただし、レタスのように水分が多く生食向きのものは、冷凍にはあまり適しません。

冷凍に向かない食材

● シャキシャキ感が重要な野菜(レタス、もやしなど)
● 豆腐やこんにゃく(食感が著しく変わる)
● 生卵(殻付きのまま)
● じゃがいも(加熱せずそのまま冷凍すると食感が悪くなる
● 乳製品(ヨーグルトや牛乳などは分離しやすい)

 

上記は冷凍に向かない食材の一例です。これらの食材は、冷凍によって水分が抜けたり、分離・変質が起きやすいため、品質が大きく損なわれる傾向があります。ただし、調理方法によって一部は冷凍対応が可能な場合もあるため、用途に応じて見極めることが大切です。

 

下処理の有無で選ぶ

冷凍を前提とした食材選びでは、食材があらかじめ下処理されているか、あるいは自分で下処理が必要かを見極めることが大切です。さらに、生のまま冷凍できるかどうかも、選ぶ際の判断材料になります。

自分で下処理をして冷凍する場合、逆にその工程が手間になることもあります。特に大量の野菜や肉を扱う場合には、皮むき・カット・下茹でといった準備に時間と労力がかかるため、「時短」のつもりが思わぬ負担になってしまうこともあるでしょう。

一方で、市販の冷凍食材には、下処理や下茹でが済んだ状態で販売されているものも多く、解凍後すぐに調理に使えるため非常に便利です。購入の際は、加熱調理に余計な手間がかからないかどうかも確認しておくと安心です。

また、野菜の種類によっては、生のまま調理した方が風味や食感が良いと感じられるものもあります。特に新鮮な旬の野菜は、冷凍することで風味が損なわれることもあるため、冷凍と生の使い分けを意識して選ぶことが大切です。

 

パッケージ・形状・内容量にも注目

冷凍を前提とした食材選びでは、内容だけでなく「パッケージや形状」も重要なチェックポイントになります。たとえば、小分けされていたり、平たくパックされているものは、冷凍庫内で場所を取らず、必要な分だけ取り出しやすくなります。また、ジッパー付きの袋や密閉容器に入っているものは再封が可能なため、衛生面でも安心です。

もう一つ注意したいのが、1キロ単位など大容量で凍った状態のまま販売されている鶏肉などの食材です。一見便利に見えますが、必要な分だけ取り出すことができず、一度解凍してから小分けし直す必要があります。その際には再冷凍が必要となり、調理前の手間が増えるだけでなく、解凍中や再冷凍時の衛生管理にも注意が必要です。特に、鶏肉などはカンピロバクターなどのリスクもあるため、小分けの際には十分な衛生対策をとるようにしましょう。

冷凍前提で購入する場合は、あらかじめ使いやすい量に分けられているかどうかに加え、解凍や再冷凍のタイミングで衛生的に問題がないかも含めて判断することが大切です。

 

 

冷凍食材を扱う時の注意点

 

冷凍食材を扱う時の注意点

冷凍食材はとても便利な存在ですが、保存が利くぶん見落としがちな注意点もあります。最後に、手軽さの裏にある小さなリスクやコストについても少しだけ触れておきましょう。

 

冷凍した日時・食材の名前・調理の有無をメモする

冷凍食材を扱う際によくあるのが、「これ、いつ冷凍したんだっけ?」と分からなくなるケースです。さらに、冷凍によって見た目が変わり、中身が判別しにくくなる食材もあるため、保存時には日付・食材名・調理の有無(生/調理済など)をラベルにメモしておくと安心です。

また、食材の状態によって保存期間の目安は異なります。調理済みのものは、生のまま冷凍したものよりも早めに使い切る意識を持つことが大切です。ひと手間かけて情報を残しておくことで、品質管理がしやすくなります。

市販の冷凍食品や冷凍食材を小分けして使う場合も、パッケージの保存情報を切り離してしまわないよう注意しましょう。特に忙しい時はさっと取り出して袋をそのまま捨ててしまうこともあるので、元のラベルを残すか、使い切るまで袋は捨てないように癖つけておくことが大切です。

 

古すぎる冷凍食材は捨てる

冷凍食材は長持ちしますし、冷凍されている状態自体は衛生的にも安全です。ただし、「無期限に保存できる」と思い込まないようにしましょう。特に、霜が多く付着していたり、変色やにおいが気になる場合は、思い切って処分したほうが安心です。冷凍庫のスペースを圧迫する原因にもなりますし、衛生面を考えても「もったいないから」と古い食材を使うのは避けたいところです。

また、長期間保存された冷凍食品は「冷凍焼け」を起こすことがあります。これは食品の表面が乾燥し、白っぽく変色したり、風味が損なわれたりする現象で、食感も悪くなりがちです。冷凍焼けした食材は、味も落ちてしまうため、料理に使いにくくなることが多いです。

冷凍保存を取り入れたとしても、油断すると結局は使い切れずに無駄にしてしまうこともあります。たとえば、大量に肉や野菜を購入した場合には、なるべく早い段階でレシピを考え、計画的に使い切ることを意識しましょう。

 

解凍方法によって味が変わる

冷凍食材を扱ううえで最も重要な注意点のひとつが、解凍方法によって味や食感が大きく変わってしまうことです。解凍の仕方を誤ると、せっかく保存した食材が台無しになってしまうこともあります。

自然解凍・電子レンジ・流水解凍など、食材や料理に合った方法を選ぶことで、品質を保ったまま調理することができます。特に肉や魚などは、急激な加熱よりも低温でじっくり解凍した方が、うま味や食感を損なわずに済みます。

また、市販の冷凍食品には、パッケージごとに最適な解凍・加熱方法が記載されています。説明に従わず自己流で調理してしまうと、風味が落ちたり、食感が悪くなったりすることもあるため、調理前に確認しておくことが大切です。

食材を冷凍する段階で、どのように解凍し、どう調理するかまで想定しておくことで、仕上がりに大きな差が生まれます。冷凍は「保存」や「時短」だけでなく、最後までおいしく食べることを前提に活用していきましょう。

 

 

まとめ

 

今回は、日々の料理にかかる労力や時間の負担を減らすために、「冷凍」を軸とした食材選びの基本と注意点についてお話ししました。

冷凍は単なる保存手段ではなく、日々の暮らしを効率よくサポートしてくれる優れた方法です。適切な食材選びと扱い方を意識すれば、時間や食費の節約にもつながり、心にもゆとりが生まれます。まずは買い物や料理の中に、「冷凍前提」という視点を少し取り入れてみてはいかがでしょうか。

とはいえ、冷凍に頼りすぎるのではなく、「冷凍せずに食べる方が美味しい」食材もあるという視点も大切です。なんでも冷凍する習慣をつけるのではなく、美味しさをそのまま楽しむ選択も、料理を楽しむひとつの工夫です。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が、食材のストックや料理の時短にお悩みの方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

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