HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

超高齢時代をどう生きるか~あなたに届けるキーワード~

第19回 恒常性とホルミシス

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私達の身体には、酸化ストレスなどによる細胞のダメージを修復する機能など、約37兆個の細胞活動を安定した状態に保とうとする恒常性(ホメオスタシス)が備わっていますが、加齢に伴いこれらの機能が低下して老化の大きな原因となります。

 

 

老化を防ぐのに最も良い方法

 

 

老化を防ぐのに最も良い方法は運動です。

男女を問わず、運動を始めるのに遅すぎることはなく効き目があるようです。筋力を増して心臓血管系を強くする運動や柔軟性を保つためのストレッチなどがありますが、その効果は心臓血管を健康にし、Ⅱ型糖尿病のリスクを下げるだけでなく、認知症機能の維持・回復などにも効果があるようです。

しかし、運動は活性酸素を発生させ酸化ストレスを誘導し、筋肉組織の破壊や炎症を伴うもので、理論的には老化や病気につながるものです。それがなぜ健康に良いのか。一定量のストレスが身体を守る機能を活発にするというホルミシスの効果によるものなのです。

 

 

最適な範囲を見つける

 

 

生命は厳しい環境下にあっても自らの遺伝物質を守り続けてきたわけです。

この防御システムを始動させる生体へのストレスとしては、筋肉を効率的に鍛える無酸素運動や高強度インターバルトレーニングのような低酸素状態での有酸素運動、腹部肥満の解消(内臓脂肪の除去)にも繋がる、ときおり断食などがあります。(なお、皮下脂肪はウイルスや細菌の皮膚からの侵入を防ぎ、有益なホルモンなどを分泌することがわかっており、いくらか余分な皮下脂肪を持つ人の方が一般的に健康長寿であるようです。)最適な運動の種類や量などは人それぞれ異なりますので、専門家にも相談しながら最適な範囲を見つけることが大切です。

また、紫外線や害虫など様々なストレスを耐えるために植物が生み出したポリフェノールなどのフィトケミカル(植物由来の身を守る化学物質)の助けを借りて、私達のホルミシスを補うことも忘れてはなりません。

 

 

まとめ

 

様々な手法を組み合わせて健康を自分の身体で検証する日々こそ、超高齢時代におけるあらゆる社会課題解決のカギとなるものでしょう。

 

(初出:ぎょうせい:月刊「税」7月号)

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