HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

超高齢時代をどう生きるか~あなたに届けるキーワード~

第20回 生きているという現象について

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私達の身体を構成している約37兆個の細胞の一つ一つは、約10の25乗個ほどの分子で構成されていると言われます。

これらの分子が整然と秩序だった行動を取っていることこそ私達が生きているという現象です。

この秩序が乱れることが病気であり、無秩序(カオス)になることが死ぬことです(エントロピーの増大)。

 

 

分子と原子

 

 

分子は原子が結合したものです。

原子とは、プラスの電気を帯びた原子核の周囲をマイナスの電気を帯びた電子が超高速で回っているスカスカな存在です。

ある原子核の周囲を回る電子の軌道が隣の原子核の近くまで来ると、電子のマイナスの電気と2つの原子核のプラスの電気との間で引力が生じて2つの原子が結合するなど、電子による電気的な引力を接着剤とした様々な原子の結びつきが分子を構成しています。

 

 

分子による生命活動には電子のエネルギーが必要

 

 

分子による生命活動には電子のエネルギーが必要です。

身体のあちこちのミトコンドリアでATP(アデノシン三リン酸)が合成され、すぐに筋肉など様々な活動のためATP中の電子のエネルギーが放出され、その結果、ADP(アデノシン二リン酸)となります。そして再びミトコンドリアにおいて、糖質・脂質・アミノ酸などが消化された栄養素と酸素を使って、ADPからATPが合成され、水と二酸化炭素が排出されます。この細胞呼吸のシステムも電子の受け渡しの過程で生じるエネルギーで稼働しています。

このように私達の身体は、電子をエネルギー伝達手段とする循環システムなのです。人生とは、このシステムの運動秩序の崩壊のプロセスとも言えますが、実は、私達の身体だけでなく、この世の中の様々な現象は、この循環システムの働きに依るものです。恐らく、このシステムの運動秩序は循環する宇宙そのものであり、私達が生きているという現象もその一環であると言えそうです。

 

 

 

まとめ

 

バランスのとれた食事・運動・ストレスコントロールに努め、できる限り宇宙の秩序に沿った生き方を模索する日々こそ、超高齢時代に相応しい生き方ではないでしょうか?(低エントロピー状態への回帰)。

 

(初出:ぎょうせい月刊「税」8月号)

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猿渡 知之

猿渡 知之(さるわたり ともゆき)

大正大学地域構想研究所 客員教授

経歴

1961年 熊本県出身
1985年 東京大学法学部卒業後、旧自治省(現総務省)入省
2020年 総務省退職後、株式会社日本経済研究所理事を経て、東日本電信電話株式会社特別参与(現在)

総務省での主な地域政策業務歴

自治政策課理事官・企画官(2001年4月~2003年8月)
高度通信網振興課長(2009年4月~2011年3月)
地域政策課長(2012年4月~2015年7月)
地方創生・地域情報化等の担当審議官(2015年7月~2018年7月)

自治体での勤務歴

京都府総務部長・副知事(2003年8月~2009年3月)をはじめ、青森県庁、栃木県庁、千葉県庁、大阪府庁において勤務

主な著書

「超高齢時代を乗り切る地域政策~地域政策構想技術リスキリングノート~」(大正大学出版会2023年)
「超高齢時代を乗り切る地域再生の処方箋」(ぎょうせい2022年)
「自治体の情報システムとセキュリティ」(学陽書房2019年)
「公的個人認証のすべて(共著)」(ぎょうせい2003年)