HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

食・農

「一手間かけた郷土料理 団子汁」の勉強会を開催いたしました

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

みゆきの里では、2008年10月より料理研究家 辰巳芳子先生のレシピをもとに、「いのちを支えるスープ」を献立に組み込み、季節の素材を使ったスープを患者様やご利用者様に提供しています。

それらを提供するにあたりみゆきの里では毎月の「いのちを支えるスープの勉強会」を開催。

山本総料理長にご指導をいただきながら、管理栄養士や調理師が、鎌倉の辰巳先生の自宅教室で直伝されたレシピを体験できる催しです。

今回は「一手間かけた郷土料理 団子汁」の勉強会を開催いたしましたので、伝授いただいた内容をご紹介します。

 

 

 

 

 

レシピ情報

 

今回ご紹介するみゆきの里で提供しているスープは、郷土料理の団子汁です。団子汁(熊本の方言で「だご汁」と言います)は一般的に小麦粉を練って作った団子と鶏肉、大根、人参、ごぼうなどの季節の野菜を一緒に煮込んだ具沢山の汁物です。

今回、郷土野菜の春日ぼうぶら(南瓜)を練りこんだ団子を作りました。

 

春日ぼうぶらは、熊本市春日地区で古くから栽培されてきた伝統的なかぼちゃの在来種で、「ひご野菜」に指定されています。見た目はひょうたんやへちまのように細長く、大きいものは50cmほどにもなります。

 

 

🌱 熊本の伝統野菜・春日ぼうぶらのご紹介

・名前の由来:「ぼうぶら」はポルトガル語 abobora(かぼちゃ)に由来

・旬の時期:9月~12月頃

・指定:2006年に熊本市が「ひご野菜」に認定

 

 

🌱 主な栄養成分と効果

春日ぼうぶらは、β-カロテンやビタミンCが豊富で、抗酸化作用や免疫力向上に役立つ栄養満点のかぼちゃです。特に冬場の風邪予防や美容効果が期待できます。

 

・β-カロテン:体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持、免疫力強化に効果的

・ビタミンC:抗酸化作用があり、風邪予防や美肌効果に
 (加熱しても比較的残りやすいのが特徴)

・食物繊維:腸内環境を整え、便秘改善に効果的
(水分が多いため、一般的な西洋かぼちゃよりもねっとり食感で消化に優しい)

・カリウム:体内の余分な塩分を排出し、むくみ予防や血圧調整に

 

 

材料(15人分)*監修:山本総料理長

材料 分量
かぼちゃ団子  
薄力粉 200g
白玉粉 20g
ぼうぶら(南瓜) 150g
   
鶏肉小間切れ 200g
大根(5mm弱のイチョウ切り) 300g
にんじん(5mmのイチョウ切り) 150g
ごぼう(3mmの輪切り) 100g
里芋(6~8mmのイチョウ切り) 300g
油あげ(1cmの色紙切り) 60g
出汁  
干椎茸 4~5枚
出し昆布 5cm角6枚
1400cc
粉いりこ 大さじ3
600cc
味噌(みそ仕立ての場合) 130g
うすくち醤油(しょうゆ仕立ての場合) 20~30cc
小さじ1
   
油(今回はオリーブ油) 大さじ3ほど
適量
レモン汁 適量

 

 

 

作り方

 

1、出汁をとる。

 昆布、椎茸は1400ccの水で、粉末のいりこは600ccの水でそれぞれ別々の鍋でとり漉したあと合わせる。

2、鶏肉は酒とレモン汁をかけ、20分置く。

3、鍋にごぼう、オリーブ油少々まぶし、弱火で蒸らし炒める。

4、次に鶏肉・人参を炒め、大根・椎茸を加え蒸らし炒めつける。

5、八分通り煮えたら、里芋、油あげを加え、ひたひたに出汁入れる。この時にうすくち醤油又は味噌を少々入れ(里芋が型崩れしないため)、丁寧に灰汁を取りながら煮る。

6、団子は白玉粉を適量の水でよくとき、蒸かぼちゃと混ぜ小麦粉を少しずついれ混ぜ合わせ適量の柔らかさに団子を作る。

7、野菜が煮えたら出汁を加え、団子をちぎりながら鍋に入れる。

8、団子が煮えたら味を整えて仕上げる。

 

 

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
田浦 美穂

田浦 美穂(たうら みほ)

現職:富貴苑栄養課 主任

2012年にぼたん園へ調理員として入職し大量調理の経験を積み、2017年より富貴苑栄養課の栄養士として務めています。
季節の行事食や地域農園の野菜を献立に取り入れ、家庭的で栄養バランスのとれた食事作りを心がけています。
入居者様とコミュニケーションをとりながら、お食事の時間が楽しみになるような雰囲気づくりを大切にしています。

資格

栄養士