みゆきの里では、2008年10月より料理研究家 辰巳芳子先生のレシピをもとに、「いのちを支えるスープ」を献立に組み込み、季節の素材を使ったスープを患者様やご利用者様に提供しています。
それらを提供するにあたりみゆきの里では毎月「いのちを支えるスープの勉強会」を開催。
山本総料理長にご指導をいただきながら、管理栄養士や栄養士、調理師が、鎌倉の辰巳先生の自宅教室で直伝されたレシピを学び、実際に体験できる催しです。
今回は「えび飛龍頭のお椀」(冬version)の勉強会を開催いたしましたので、伝授いただいた内容をご紹介します。
レシピ情報
「飛龍頭(ひりょうず)」は、関西で親しまれているがんもどきの別名です。つぶした豆腐に、にんじん・ごぼう・ひじき・銀杏などを混ぜて丸め、油で揚げた料理になります。
名前の由来ですが、「飛龍頭」という漢字には深い意味があるわけではなく、「ひりょうず」「ひりゅうず」という音に合わせて当てられた字とされています。有力な説のひとつが、ポルトガル語の揚げ菓子「filhós(フィリョース)」が日本に伝わり、音が変化して「ひりょうず」になったと言われているそうです。
一方で、関東では同じ料理を「がんもどき」と呼びます。「雁(がん)のもどき」、つまり肉料理の代用品という意味で、精進料理の文脈から生まれた名前です。関東は“代わりの料理”、関西はひとつの“完成された料理”と文化の違いも見えてきます。
京料理や精進料理の世界では、飛龍頭は季節を包み込む器のような存在です。山芋や百合根、銀杏など、その時々の食材を混ぜ込み、ふわりと揚げて、澄んだ出汁で静かに煮含めるため、質素なのにどこか華やかな一品です。
「いのちを支えるスープ」の「えび飛龍頭のお椀」も季節により具材を変えています。基本の豆腐の生地に春と冬でそれぞれ旬の具材を使用しています。
「えび飛龍頭のお椀」はスープの中でも手の込んだ料理になりますが、澄んだお出汁に浮かぶ飛龍頭はとても上品で、豆腐とえびと季節の具材の旨味が昆布と鰹節の効いた澄まし汁と合わさる事で絶品のスープになります。


飛龍頭の栄養について
豆腐を主原料とするため“たんぱく質がしっかり摂れ、脂質は控えめ”というのが大きな特徴です。
1.良質なたんぱく質源
豆腐・山芋・卵などが使われるため、植物性中心で消化が良いです。
2.食物繊維も摂りやすい
ひじき・ごぼう・にんじんなど、具材により不溶性・水溶性の食物繊維が自然に加わります。
3.脂質は控えめ
揚げ物の中では脂質が少なく、煮物にするとさらにヘルシーになります。
4.ミネラルが豊富になりやすい
ひじき・ごぼう・銀杏などを入れると、鉄・カルシウム・カリウムなどの栄養が多く取れます。
材料(15人分)*監修:山本総料理長
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 基本の豆腐の生地 | |
| (1個35gで約30個出来ます) | |
| 木綿豆腐 | 650g(フキンで包み水分を切る) |
| 大和イモのすりおろし | 大さじ4 |
| 卵黄 | 2個 |
| 小麦粉(薄力粉) | 大さじ4 |
| 塩 | 小さじ1/2 |
| 春の具材 | |
| 生のむきエビ | 200g |
| 筍 | 100g |
| グリンピース | 50g |
| 生椎茸 | 3~4枚 |
| 吸い口 | |
| 三つ葉、木の芽 | 適量 |
| 冬の具材 | |
| 生のむきエビ | 200g |
| ゆりね | 1個(5~6mm乱切り) |
| 銀杏 | 10~15個 |
| 生椎茸 | 3~4枚 |
| 吸い口 柚子 | 適量 |
| 添え 三つ葉 | 適量 |
| 一番出し | |
| 水 | 2000cc |
| 出し昆布 | 5cm角を10枚 |
| かつお削り節 | 40g |
| 澄ましの調味料 | |
| 薄口醤油 | 大さじ2~3 |
| 塩 | 適量(味を見て調整) |
作り方
1、一番出汁をとる。
(鍋に水、昆布を入れ一時間ほどおき、中火の強~弱火で昆布のうまみを引き出しながら火にかける。うまみが出たら昆布を取り出し、鰹節を入れひと煮立つ前に火を止める。鰹節が沈みはじめたら漉す。)
2、(生地作り)水切りした豆腐をフードプロフェッサーにかける。次に卵、大和イモ、小麦粉、塩を入れて再び回す。撹拌出来たら、ボールに移す。
3、(具)エビ以外の季節の具材を薄口醤油と出汁で煮て下味をつけ、冷ます。
4、エビの半量はすり身、もう半量は5~7mmの粗ミジン切りにし、それぞれボールにとる。
5、えびのすり身と2の生地を擂り混ぜ、次に季節の具と粗みじんのエビをヘラで混ぜ合わせる。
6、一個35gほどの団子を作り、手に油をつけ丸め、中央にくぼみを入れる。
7、油で揚げる、(オーブンなどで揚げ焼きしても可)
8、お椀に出来た飛龍頭をもり澄まし汁を注ぎ、季節の添えと吸い口を添える。






