HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

超高齢時代をどう生きるか~あなたに届けるキーワード~

第36回 人生に失敗なし

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成功か失敗か、善か悪か。私達は二分法で議論を単純化しがちです。でも、人間のことなど簡単に割り切れるものではありません。

原因と結果に基づいて必然的に生老病死と進む自動機械としての身体と、理性的な精神(魂)とが緊密に結合したのが人間だ、と確信したのが近代科学・哲学の父デカルトでした。

デカルト以降、私達は、必然の世界を究明することで発展してきましたが、精神(魂)のことは、まだ何もわかっていません。フロイトの精神分析学なども必然の世界の究明の試みの一つにすぎません。一方、私達はわからないことを迷信の世界に追いやり考えないようにする傾向があるようです。

 

 

「精神」とは

 

 

デカルトの言うように精神(魂)が永遠なのであれば、私達の人生は、精神(魂)が身体の欲求と張り合いながら、成長していくプロセスとなります。過去は私達の学びの材料です。迷惑をかけた事や恥ずべき事など、私達は過去を否定せず受け入れることで多くの学びを得ることができます。ただ、変えられない過去に縛られないように注意が必要です。迷惑をかけた人には申し訳ありませんが。

精神(魂)の成長プロセスとしての人生に着目すると、苦しかった出来事も違う風景として見えてくるかもしれません。人生の出来事の本当の意味の探究です。

 

 

まとめ

 

精神(魂)が永遠であるならば、そもそも人生に結果などありません。今に集中する精神が続いていくプロセスがあるだけです。これまで入学試験や人事異動などをはじめ、様々な結果への不安から、私達は不安に苛まれてきました。でも、結果を気にしなくてもよければ、私達の心は解放されます。自由ですよね。

年齢を重ね、身体の必然的な終焉も近くなってきた時まで、私達は過去に苦しめられる必要はありません。過去を反省し、学びの材料とする中で、「心」の大切さに気付きながら、精神(魂)の成長を求める日々が豊かな人生なのかもしれません。

 

(初出:(株)ぎょうせい2026年4月号)

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猿渡 知之

猿渡 知之(さるわたり ともゆき)

大正大学地域構想研究所 客員教授

経歴

1961年 熊本県出身
1985年 東京大学法学部卒業後、旧自治省(現総務省)入省
2020年 総務省退職後、株式会社日本経済研究所理事を経て、東日本電信電話株式会社特別参与(現在)

総務省での主な地域政策業務歴

自治政策課理事官・企画官(2001年4月~2003年8月)
高度通信網振興課長(2009年4月~2011年3月)
地域政策課長(2012年4月~2015年7月)
地方創生・地域情報化等の担当審議官(2015年7月~2018年7月)

自治体での勤務歴

京都府総務部長・副知事(2003年8月~2009年3月)をはじめ、青森県庁、栃木県庁、千葉県庁、大阪府庁において勤務

主な著書

「超高齢時代を乗り切る地域政策~地域政策構想技術リスキリングノート~」(大正大学出版会2023年)
「超高齢時代を乗り切る地域再生の処方箋」(ぎょうせい2022年)
「自治体の情報システムとセキュリティ」(学陽書房2019年)
「公的個人認証のすべて(共著)」(ぎょうせい2003年)