みゆきの里では、2008年10月より料理研究家・辰巳芳子先生の「いのちを支えるスープ」の理念を大切にし。季節の素材を生かしたスープを患者様・ご利用者様へ提供してきました。
それらを提供するにあたりみゆきの里では毎月「いのちを支えるスープの勉強会」を開催。山本総料理長にご指導をいただきながら、管理栄養士や栄養士、調理師が、鎌倉の辰巳先生のご自宅教室で伝えられたレシピを体験し、技術と心を学ぶ場となっています。
今回は「ポタージュ・ボンファム」の勉強会を開催いたしましたので、ご紹介します。

「ポタージュ・ボンファム」は命のスープのレシピの中でも基本のポタージュスープになります。じゃがいもを使用したポタージュスープです。
ボンファムとはフランス語で“良き主婦”を意味します。
辰巳先生はこの言葉を「家庭の知恵と愛情が詰まったスープ」として再解釈され、
素材のいのちを最大限に生かすポタージュとしてされています。
ポタージュ・ボンファムの特徴
1.野菜の甘みと香りを引き出す構成
基本の材料はとてもシンプルです。
玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、セロリ、オリーブ油、塩、ブイヨン(または野菜のだし)
家庭でも親しみのある材料ですが、火の入れ方と時間のかけ方で驚くほど深い味になるのがこのスープの魅力になります。
2.「炒める」ではなく「汗をかかせる」
辰巳先生の独特の表現で、野菜を焦がさず、じっくりと水分を引き出すように加熱します。
これによって、
- 野菜の甘みが最大化
- 香りが立つ
- 乳化が自然に進み、なめらかな口当たりになる
という効果が生まれます。

3.塩は“味を決める”のではなく“いのちを引き出す”
辰巳先生は塩の扱いにとても繊細で、「素材のいのちを引き出すための塩」という考え方を大切にしています。
ポタージュ・ボンファムでも、塩は最小限で、素材の甘みを生かしています。
4.裏ごしの丁寧さ
ミキサーで撹拌したあと、裏ごしをすることで“喉をすべるような”滑らかさが生まれます。
辰巳先生の料理は「手間を惜しまないこと」が本質で、その手間が、食べる人の身体にやさしく届くという考え方です。

野菜の切り方について、大きさが少々不揃いのところもあったため、大きさをそろえる理由について、「具材の火の通りが均一になり同じ時間に炊きあがる。余分に煮る時間がかからなくなる。」と語ってくださいました。また、具材を指先で押した際に、抵抗なくつぶれるようになれば、煮え具合の目安になる。」と実践を交えて教えて頂きました。
その他にも二鍋作ったうち、一つはレシピ通りの牛乳、もう片方の鍋は豆乳を加えて仕上げました。牛乳の代替えとして豆乳を勧めらました。
両方のスープを試食し、今回のスープでは豆乳の方が優しい仕上がりに感じられましたが、どちらも美味しく出来ていました。
勉強会の集大成として仕上げたスープは「今までのスープの中で一番美味しく仕上がっていたよ」と山本総料理長からうれしいお言葉を頂きました。
今年度の締めにとても素敵なお言葉を頂き、職員にとって大きな励みになりました。
山本総料理長、沢山ご指導頂きありがとうございました。
令和8年度は、新しい内容で「命のスープ勉強会」を開催予定です。
これからも、素材のいのちを大切にし、食べる方の心と身体に寄り添うスープ作りを続けてまいります。

材料(12人分)*監修:山本総料理長
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| ジャガイモ(男爵) (8mm弱のイチョウ切り水に浸す 10分以内) |
500g |
| 玉ねぎ(半月薄切りスライス) | 150g |
| にんじん (4~5mmイチョウ切り 水に浸す10分以内) |
180g |
| セロリの茎 (小口切りさっと洗う) |
180g |
| オリーブ油 | 大さじ3(45cc) |
| チキンブイヨン(チキンクリアスープ) | 1/4(250g)+水1000cc |
| ローリエ | 1枚 |
| 牛乳 | 300~400cc |
| 塩 | 小さじ2(10g) |
作り方
1.鍋に玉ねぎ、半量強のオリーブ油を入れ、甘味臭がするまで蒸らし炒める。
2.セロリ、にんじん、を加え煮えが付いたらジャガイモを入れ残りのオリーブ油、ローリエを加える。鍋ふたして蒸らしときどき混ぜる。野菜が透明感を増し、甘い香りが立ってくる。途中水分が不足する場合は、水を少し差しても良い。
3.野菜が充分に透明度を増し甘い香りがたったら、ひたひたにブイヨンと塩半量を入れ柔らかくなるまで煮る。
4.粗熱がとれたらローリエを除き、ミキサーにかけ、別鍋に裏ごし器を通し移す。
5.鍋を火にかけ、牛乳と残りのブイヨンで濃度を調整し、塩味を調え仕上げる。






