心配、怒り、怖れなどストレスは健康の大敵です。
平原でマンモスに遭遇すれば恐怖ですよね。恐怖はストレスホルモンの分泌を促し、パワーと瞬発力を生み出すとともに、ブドウ糖を血流に放出するように身体に指示するようです。この覚醒で人類はより速く走り、より激しく闘うことができたので、現代まで生き延びてきたのかもしれません。
ストレスは元来、闘争の準備なので、いわゆる爬虫類脳による本能が優位となります。生き残るために必要な筋肉と脳の一部にエネルギーを集中させることになりますが、一方で衝動的な行動に走る危険がります。
また、闘いのエネルギー源としてどんどんブドウ糖の蓄積を血流に放出しますので、それを補うために激しく糖分を欲するようです。このため、糖分の多い不健康な食べ物を欲し、暴飲暴食の原因ともなります。実際に闘わない日常生活にあっては、このことは肥満の原因になることが予想されますし、慢性的な炎症が促進されて血管を痛めたり、制御不能な細胞の増殖、いわゆる「がん」を招く危険があるようです。
ストレスの本質は「執着」にある。禅が教える手放す生き方

ストレスは、自分でコントロールできない物事を自分で何とかしようとして起こることが多いようです。その拘っている物事は、生命の危険を冒してまで求める必要があるのでしょうか。ストレス対策は執着を手放すことです。禅で「放っておけ」とか「考えるな」とか指導されるのは、自分の小さな我欲に基づいて物事を何とかしようとするのではなくて、私達も宇宙の構成物なのだから宇宙の流れを信じて任せろ、といったような趣旨かもしれません。
まとめ
「信じて任せる」ことの効能は、プラシーボ効果(偽薬効果)の現象などによって、医学的にも広く証明されているようです。
「思い煩いは、何もかも神にお任せしなさい」という教えも、健康の観点からも有効ではないでしょうか。
ただ、我欲の成就を神に願っても叶うことはなく、かえってストレスの原因になりかねないことにご注意を!
(初出:(株)ぎょうせい「税」7月号)






