HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

超高齢時代をどう生きるか~あなたに届けるキーワード~

第44回 心の手綱を握る

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 いつから自分のことを「私」として意識するようになったのかは定かではありません。親から名前を呼ばれ、幼稚園で自分より速く走れる人がいることを知り、小学校に入ってからはテストの成績で比べられる・・・他者との関わりの中で、比較相対的に何となく「自分」のイメージを心の中で作り上げてきたように感じます。

 その後、他者との関係性の中で作られた「自分」にとって、人生は思い通りにならないことに気付かされるようになりました。その「自分」という意識すら、「どう評価されているのか?」という他者の物差しに左右されて形成されていたように思います。

 思い通りにならない日々には、不安や怒りが満ちてきます。感情を殺すことは難しいことですが、それが正解だとも思えません。

 

感情を殺さず、観察する。「心の手綱」を自分自身で握る方法

 

 

 ただ、他者が原因で起こる感情に揺さぶられることは苦しいことです。そこで、感情と自分を切り離して感情の発生プロセスを観察することに努めました。感情の発生プロセスを整理するという作業の中で、感情の扱い方をトレーニングすることができるように感じました。

 他者の物差しも無視するのではなくて、自分の行動を決定するに際して参考資料にすればよいのです。

 不安や恐怖、怒りといった様々な感情を殺す必要はありませんが、野放しにすることは危険です。要は、自分で「心の手綱を握る」ことが必要なようです。

 感情を受け止めることは、現実を受け入れることに繋がります。現実の受け入れは、心の平安にとって不可欠だと思います。その延長線上で、いずれ死すべきものとしての自分を受け止めることに繋がるように感じます。

 

まとめ

 

 他者の物差しも無視するのではなくて、自分の行動を決定するに際して参考資料にすればよいのです。

 不安や恐怖、怒りといった様々な感情を殺す必要はありませんが、野放しにすることは危険です。要は、自分で「心の手綱を握る」ことが必要なようです。

 感情を受け止めることは、現実を受け入れることに繋がります。現実の受け入れは、心の平安にとって不可欠だと思います。その延長線上で、いずれ死すべきものとしての自分を受け止めることに繋がるように感じます。

 他者を変えることは難しいし、他者を変えるだけの時間は残されていません。「今から」自分が変わる方が簡単なはずです。感情の扱い方を修練し、不安と後悔から解き放たれて常にアップデートすることを心掛けること。それが「心の手綱を握る」ことなのかもしれません。

 

(初出:(株)ぎょうせい月刊「税」20268月号)

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猿渡 知之

猿渡 知之(さるわたり ともゆき)

大正大学地域構想研究所 客員教授

経歴

1961年 熊本県出身
1985年 東京大学法学部卒業後、旧自治省(現総務省)入省
2020年 総務省退職後、株式会社日本経済研究所理事を経て、東日本電信電話株式会社特別参与(現在)

総務省での主な地域政策業務歴

自治政策課理事官・企画官(2001年4月~2003年8月)
高度通信網振興課長(2009年4月~2011年3月)
地域政策課長(2012年4月~2015年7月)
地方創生・地域情報化等の担当審議官(2015年7月~2018年7月)

自治体での勤務歴

京都府総務部長・副知事(2003年8月~2009年3月)をはじめ、青森県庁、栃木県庁、千葉県庁、大阪府庁において勤務

主な著書

「超高齢時代を乗り切る地域政策~地域政策構想技術リスキリングノート~」(大正大学出版会2023年)
「超高齢時代を乗り切る地域再生の処方箋」(ぎょうせい2022年)
「自治体の情報システムとセキュリティ」(学陽書房2019年)
「公的個人認証のすべて(共著)」(ぎょうせい2003年)