発生から4年目へ突入も今なお世界的な大流行が継続する新型コロナウイルス感染症ですが、今年はインフルエンザとの同時流行となって複雑な発生動向をたどることも考えられます。私達に何ができるでしょうか?どのように自分自身や大事な方を守れるでしょうか?アロマテラピーの観点から、考えてみたいと思います。
新型コロナウイルス感染症について
2019年より12月初旬に中国の武漢市で第一例目の感染者が報告され、日本では2020年1月に国内感染者が初めて確認される。
日本国内感染者総数31,416,633人 / 日本国内死亡者総数62,679人(令和5年1月15日:厚生労働省発表)
微生物とは?
肉眼では確認できず顕微鏡を用いてしか見えない生物の総称
微生物である真菌と細菌、ウイルスの違い
細菌:1~10㎛ 原核生物
真菌:10~100㎛ 真核生物
ウイルス:300㎚以下 細胞としての構造をもたず自己増殖できないため、宿主細胞に寄生し細胞の仕組みを利用することで増殖するといった特徴がある。生物とは言い難い特性を持つ
新型コロナウイルス(COVID-19)の構造
・球体の中にRNAゲノムがカプシドタンパク質と結合している
・ウイルス球体の周りにエンべロープ(脂質性の二重膜構造)がある
・エンベローブに突き刺さるような形でスパイクタンパク質が存在する
スパイクの先端はウイルスが宿主細胞に侵入する際のヒト細胞がもつレセプターに結合する部位です。ウイルス遺伝情報の突然変異によりスパイクタンパク質の構造に変異が生じた場合は異なる受容体への感染が生じたり、疾患特性が変化する可能性があるといわれています。
ヒト細胞への感染機序
- 吸着 COVID-19のスパイクタンパク質がACE2受容体へ結合
- 侵入 TMSRESS2タンパク質分解酵素が補助し細胞内に侵入
- 脱穀 ゲノムRNAの放出
- 素材の合成 RNA複製や翻訳・タンパク合成
- ウイルスの形成・成熟
- ウイルス粒子の細胞外への放出
感染経路
- エアロゾル感染 空中に浮遊するウイルスを含むエアロゾルを吸い込むこと
- 飛沫感染 ウイルス含む飛沫が口、鼻、目などの露出した粘膜に付着
- 接触感染 ウイルス含む飛沫や、付着したものを触った手指で露出した粘膜を触ること
検査・診断
・現時点での感染の有無
RT-PCR法(咽頭、鼻腔、唾液) 核酸検出 ウイルス遺伝子の測定
LAMP法
抗原検査(咽頭、鼻腔、唾液) 定量検査 高感度抗原定量検査 ウイルス抗原の測定
定性検査 迅速抗原定性検査
・感染の履歴
抗体検査(血液) ウイルス抗原に結合する抗体
治療薬
厚生労働省の承認を受けている新型コロナウイルス治療薬には
『抗炎症薬』『抗ウイルス薬』『中和抗体薬』がある
確定薬
レムデシビル:ベルクリー® (RNA依存性ポリメラーゼ)→RNA合成の阻害
※抗エボラウイルス薬(未承認)として開発。SARS-CoV/MERS-CoVでも効果確認
投与方法 点滴静注
用法・容量 総投与期間10日まで副作用:高頻度 下痢、皮疹、肝機能障害、腎機能障害他 (国内初特定薬事承認:2020年5月7日)
トシリズマブ:アクテムラ® (関節リウマチ適応 遺伝子組替ヒト化抗IL‐6Rモノクロナール抗体) →受容体阻害 (薬事承認:2021年12月13日)
SARS-CoV‐2による肺炎(酸素投与を要する患者に対し)
経口抗ウイルス薬
ラゲブリオ®・パキロビットパック®・ゾコーバ®など
承認はおりているが安定的供給面などから一般流通に至っていないことがある
(厚生労働省HPより)
候補薬
ファビピラビル:アビガン® (インフルエンザ適応:RNAポリメラーゼ阻害)
→RNA合成の阻害
企業治験及び特定臨床研究、観察研究実施中
ナファモスタット:フサン®(急性膵炎適応:タンパク質分解酵素阻害)
→TMPRESS2抑制、侵入阻害
東京大学医学科研究所発表、臨床研究実施中
新型コロナウイルスの変化
アルファ株
デルタ株
オミクロン株
オミクロン株の中で変異しBA,1系統 BA,2系統
XD系統 デルタ株とBA,1系統の組み換え体
XE系統 BA,1系統とBA,2系統の組み換え体
現在はBA.5株流行中、オミクロン株は若者の重症化リスクは低く大部分の方は軽傷、一方高齢者のリスクは引き続き高い
政府の方針
新たな行動制限は行わず、重症化リスクのある高齢者等を守ることに重点をおき
感染拡大防止と社会経済活動の両立を目指している
参考文献・HP:
国立感染研究所HP
厚生労働省HP
東京大学医学科研究所HP
安部 茂先生 アロマトピアNo.160/2020
NARDJAPANアロマインストラクターテキスト
SARS-CoV-2オミクロンBA.5株およびBA,2系統株のウイルス学的性情の解明
佐藤 佳(東京大学医学科研究所)らの発表
看護師アロマ・トレーナー西別府 友香より
次は予防や感染症の諸症状に対してアロマテラピーで出来るアプローチについてお話しします
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