HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

東洋医学の活用

第七七回東洋医学療法の紹介コラム 60 薬膳茶⑨茶に合わせる木の実(2)

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[向日葵(ひまわり)の種]

 

夏といえば向日葵の花ですが、種は油を作る以外に「おやつ」にもよく使われます。

材料

向日葵の種……300g

作り方

鉄鍋に向日葵の種を入れて、弱火でゆっくり炒る。

色がつき、香りが出てきたら完成です。

解說

向日葵の種を炒るのは、最も一般的な作り方です。収穫した向日葵の種をしっかり乾爍させて保存します。食べたいときに上記の方法で素炒りにします。味をつけるときは、胡桃と落花生の作り方を参照してください。

 

 

[西瓜(すいか)の種]

 

 

種を取るために培養した西瓜を「籽(シ)瓜」といいます。籽瓜の果肉はおいしくないため食べません。

 

材料

西瓜の種……300g 

 甘草…………5g      

八角茴(はっかくうい)香(きょう)…2かけ

粗塩…………適量    

山椒…………5g     醤油…………大さじ2 

月(げ)桂(っけい)葉(よう)……1枚

 水……………500ml   

肉桂(にっけい)…………3g 

作り方     

①材料をすべて鍋に入れて、弱火で沸騰するまで煮る。   

沸騰したら中火で30分間煮る。

②濾(こ)してから乾燥させる。

解説

「本草綱目」に「甘、寒、無毒。主治 腹内精聚、破潰膿血、最為肠胃脾内壅要薬。止月経太過、研末去油、水調服。炒食、補中宜人。清肺調膈、和中止渴。(訳:甘味、寒性で無毒である。お腹の中の固まり[腫塊]、血眼を破し、腸・胃・脾が詰まる症状改善もために重要な薬である。つぶして油を取り、水で調合して飲むと生理の出血過多を止める。炒ってから食べると脾胃を補う。また、肺を清し、腸を整え、のどの渇きを止める) 」とあり、西瓜の種の働きについて書かれています。

今日では、種の効果を求めて食べることはなく、茶を飲みながら西瓜の種の身を食べることで、のんびりとした時間を過ごします。

 

 

 [榛の実] はしばみ

 

 

榛(ハシバミ)、胡桃(クルミ)、杏仁(キョウニン:あんずの種)、腰果(カシューナッツ) は4大堅果といわれ、なかでも榛は「四大堅果の王」と称されています。

 

材料

榛の実(殻を取る)…300g   

塩……………………適量 

作り方

①鍋に榛の実を入れて、弱火でゆっくり炒る。    

②塩を適量の水で溶かし、①にかける。水分がなくなり乾燥し、香りが出るまで炒る。

解説

「本草椒(ショウ)目」に榛(ハシバミ)の実は「甘、平、無毒。益気力、実腸胃、令人不飢健行……調中開胃。(訳:甘味、平性で無毒である。気力を補益し、腸胃を充実し、飢餓にならず、よく歩くようになる。……脾胃を調節し、食欲を増進する。)」とあり、食感がよくおいしい木の実です。

そのほか、栗、ナツメ、松の実、マカダミアナッツ、カシュ-ナッツ、ぺカンナッツなどの木の実類が茶のお供として一緒に楽しめます。

 

 

 

参考文献

 

 

  • 関口善太著.〈イラスト図解〉東洋医学のしくみ.日本実業出版社,2003
  • 辰巳洋著.実用中医薬膳学.東洋学術出版社,2008
  • 平馬直樹・浅川要・辰巳洋著.オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書.株式会社ナツメ社,2014
  • 辰巳洋著.薬膳茶のすべて.株式会社 緑書房,2017
  • 仙頭正四郎著.最新 カラー図解 東洋医学 基本としくみ.株式会社西東社,2019

 

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