清熱(せいねつ)類②
西瓜(すいか)――ウリ科 性味 寒、甘 帰経 心・胃・膀胱 常用量 好みでよい
期待される効能
① 清熱解暑(せいねつかいしょ):暑熱による身熱・汗・目の赤み・腫れ・痛み・のどの痛み
② 除煩止渴(じょはんしかつ):のどの渴き・口内炎
③ 利尿通淋(りにょうつうりん):排尿の熱感・尿量が少ない・尿の色が濃い・血尿
注意
① 冷え症の人や寒い季節には多食は控える。
② 糖尿病の人は量に注意する。
メロン――ウリ科 性味 寒、甘 帰経 心・脾・胃・肺・大腸 常用量 好みでよい
期待される効能
① 清熱祛(せいねつきょ)署(しょ)・解煩止渴(かいはんしかつ):熱病による渴き・精神不安・口と鼻のできもの・歯痛
② 祛湿(きょしつ)止痛(しつう)・利尿消腫(りにょうしょうしゅ):湿による四肢麻痺・腰痛・尿が濃い・排尿痛・むくみ
③ 清熱排(せいねつはい)膿(のう):口臭・便秘
注意
① 子供や妊婦はメロンを冷やさず、室温で少量摂取する。
② 糖尿病の人は量に注意する。
板(ばん)藍(らん)根(こん)――アブラナ科 性味 寒、苦 帰経 心・胃 常用量 6~15g
期待される効能
① 清熱(せいねつ)解毒(げどく):温熱病による発熱・頭痛・斑疹・癰腫瘡毒(ようしゅそうどく)(皮膚・乳腺・腸の急性化膿性疾患)
② 涼(りょう)血(けつ)利(り)咽(いん):のどの腫れ・痛み
注意
脾胃虚寒には慎重に用いる。
金銀(きんぎん)花(か)――スイカズラ科 性味 寒、甘 帰経 肺・心・胃 常用量 3~15g
期待される効能
① 清熱(せいねつ)解毒(げどく):あせも・癰腫瘡毒(ようしゅそうどく)(皮膚・乳腺・腸の急性化膿性疾患)・赤痢
② 疎散風熱(そさんふうねつ):外感風熱・温病初期の発熟・微悪風寒・のどの渴き・腫れ・痛み
注意
脾胃虚寒と慢性瘡瘍(腫瘍・潰瘍・ひ爛)の人には禁忌。
蒲公英(ほこうえい)――キク科 性味 寒、苦・甘 帰経 肝・胃 常用量 6~15g
期待される効能
① 清熱(せいねつ)解毒(げどく):熱毒による癰腫瘡毒(皮膚・乳腺・腸の急性化膿性疾患)・膿痰・咳・胸痛(肺癰(はいよう))
② 消腫散結(しょうしゅさんけつ):熱毒によるのどの腫れと痛み
③ 利湿通淋(りしつつうりん):湿熱による黄疸・排尿痛
注意
多量に摂取すると下痢をすることがある。
芦(ろ) 根(こん)――イネ科 性味 寒、甘 帰経 肺・胃 常用量 15~30g 新鮮品(未乾燥)30~60g
期待される効能
① 清熱瀉(せいねつしゃ)火(か):熱病による発熱・肺熱による咳・膿痰・黄色い痰
② 生津止渴(しょうしんしかつ):津液不足によるのどの渴き
③ 除煩止嘔(じょはんしおう):熱病によるいらだちを伴う熱感・胃熱による嘔吐
④ 清熱(せいねつ)利尿(りにょう):熱による排尿痛・排尿不調
竹(ちく) 葉(よう)――イネ科 性味 寒、辛・甘・淡 帰経 心・胃・小腸 常用量 3~9g、鲜葉は15~30g
期待される効能
① 清熱瀉火除煩(せいねつしゃかじょはん):熱病によるいらだちを伴う熱感・のどの渴き・口内炎
② 生津(しょうしん)利尿(りにょう):熱病による排尿の熱感・排尿痛・血尿
卷いたままの幼葉は「竹葉卷心(竹葉心)」とよばれます。
淡(たん)竹葉(ちくよう)――イネ科 性味 寒、甘・淡 帰経 心・胃・小腸 常用量 6~9g
期待される効能
① 清熱瀉火除煩(せいねつしゃかじょはん):熱病によるいらだちを伴う熱感・のどの渴き・口内炎
② 清熱(せいねつ)利尿(りにょう):熱病による排尿灼熱感・排尿痛
注意
① 長時間煎じないようにする。
② 妊婦には慎重に使う。
参考文献:
1) 関口善太著.〈イラスト図解〉東洋医学のしくみ.日本実業出版社,2003
2) 辰巳洋著.実用中医薬膳学.東洋学術出版社,2008
3) 平馬直樹・浅川要・辰巳洋著.オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書.株式会社ナツメ社,2014
4) 辰巳洋著.薬膳茶のすべて.株式会社 緑書房,2017
5) 仙頭正四郎著.最新 カラー図解 東洋医学 基本としくみ.株式会社西東社,2019