
清熱(せいねつ)類③
夏枯(かこ)草(そう)――シソ科 性味 寒、辛・苦 帰経 肝・胆 常用量 9~15g
期待される効能
① 清熱瀉(せいねつしゃ)火(か)明目(めいもく):肝(かん)火上炎(かじょうえん)(肝の熱) による目の赤み・腫れ・痛み・頭痛・めまい
② 散結消腫(さんけつしょうしゅ):肝火・痰火による瘰癧(るいれき)(リンバ節の腫れ)・癭(えい)瘤(りゅう)(甲状腺の腫れ)・乳廱腫痛(にゅうようしゅつう)(乳腺の急性化膿症)
注意
脾胃虚寒の人には慎重に用いる。
山栀子(さんしし)――アカネ科 性味 寒、苦 帰経 心・肺・三焦 常用量 3~10g
期待される効能
① 瀉火除煩(しゃかじょはん):熱証による精神不安・汗をかきやすい・のどの渇き
② 清熱利湿(せいねつりしつ):肝胆湿熱による黄疸・発熱黄色い痰・尿の色が濃い・尿が少ない
③ 凉(りょう)血(けつ)解毒(げどく):熱証による出血・皮膚の化膿性疾患・目の赤み・腫れ・痛み
注意
脾胃を損傷しやすいので、脾虛の軟便・下痢に禁忌。
生地(しょうじ)黄(おう)(乾地(かんじ)黄(おう))――ゴマノハグサ科 性味 寒、甘・苦 帰経 心・肝・腎 常用量 10~15g
期待される効能
① 清熱(せいねつ)涼(りょう)血(けつ):温熱病による発熱・のどの渴き・斑疹・吐血・鼻血・血尿・皮下出血・不正出血
② 養(よう)陰生津(いんしょうしん):陰液損傷による舌の赤み・口の乾燥・強いのどの渇き・多飲・尿が少ない・便秘
注意
脾虚有湿で腹满、泥状便を呈するときは用いない。
馬歯莧(ばしけん)――スベリヒユ科 性味 寒、酸 帰経 肝・大腸 常用量 9~15g(新鲜品30~60g)
期待される効能
① 清熱解毒止痢(せいねつげどくしり):大腸湿熱による赤痢・下痢・腹痛
② 凉(りょう)血止(けつし)血(けつ):肝熱による不正出血・血便・痔の出血
白花(びゃくか)蛇(じゃ)舌(ぜつ)草(そう)――ア力ネ科 性味 寒、微苦・甘 帰経 胃・大腸・小腸 常用量 15~60g
期待される効能
① 清熱(せいねつ)解毒(げどく):熱毒による廱腫瘡毒(ようしゅそうどく)(皮膚・乳腺・腸の急性化膿性疾患)・のどの腫れ・痛み・毒蛇の咬傷
② 利湿通淋(りしつとつうりん):膀胱湿熱による排尿痛・頻尿
トマト――ナス科 性味 微寒、甘・酸 帰経 肝・脾・胃 常用量 好みでよい
期待される効能
① 生津止渴(しょうしんしかつ):熱病による強いのどの渇き
② 健胃消食(けんいしょうしょく):食欲不振,消化不良
注意
① きゅうりと一緒に食べない。
② 身体を冷やすので、冷え症の人や寒い季節には注意する。
③ 軟便・腹痛時は症状を悪化させる可能性があるため多食を避ける。
連翹(れんぎょう)――モクセイ科 性味 微寒、苦 帰経 肺・心・小腸 常用量 3~15g
期待される効能
① 清熱(せいねつ)解毒(げどく):外感風熱・温病初期の発熱・頭痛・のどの渴き
② 消廱散結(しょうようさんけつ):熱毒によるのどの腫れと痛み・廱腫瘡毒(ようしゅそうどく)(皮膚・乳腺・腸の急性化膿性疾患)
③ 疏散風熱(そさんふうねつ):外感風熱・温病初期の発熱・微悪風寒・のどの渴き・腫れ・痛み
注意
脾胃虚寒と慢性瘡瘍(腫瘍・潰瘍・び瀾)の人には禁忌。
魚腥(ぎょせい)草(そう)――ドクダミ科 性味 微寒、辛 帰経 肺 常用量 6~15g、新鮮品(未乾燥)は倍量
期待される効能
① 清熱(せいねつ)解毒(げどく)・消廱排(しょうようはい)膿(のう):肺廱(はいよう)(肺の急性化膿性疾患)・肺熱による咳・咳血・膿痰、皮膚の化膿性疾患
② 利尿通淋(りにょうとつうりん):湿熱による排尿痛・排尿の熱感・血尿・排尿困難
注意
長時間煎じてはいけない。
参考文献:
1)関口善太著.〈イラスト図解〉東洋医学のしくみ.日本実業出版社,2003
2)辰巳洋著.実用中医薬膳学.東洋学術出版社,2008
3)平馬直樹・浅川要・辰巳洋著.オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書.株式会社ナツメ社,2014
4)辰巳洋著.薬膳茶のすべて.株式会社 緑書房,2017
5)仙頭正四郎著.最新 カラー図解 東洋医学 基本としくみ.株式会社西東社,2019

                            




                         
                         
                         
                         
                         