
滋陰類①
桑椹(そうじん)————クワ科 性味 寒、甘・酸 帰経 心・肝・肾 常用量 9~15g
期待される効能
① 滋(じ)陰(いん)補血(ほけつ):陰血不足によるめまい・かすみ目・耳鳴り・不眠白髪
② 生津潤燥(しょうしんじゅんそう):のどの渴き・消渇(多食・多飲・多尿・瘦せ)・大腸の乾燥による便秘
百合(ひゃくごう)————ユリ科 性味 微寒、甘 帰経 肺・心・胃 常用量 好みでよい
期待される効能
① 養(よう)陰(いん)潤(じゅん)肺(ばい):肺陰虚による空咳・少量の痰・喀血・声嗄れ
② 清心(せいしん)安神(あんしん):心陰虚による動悸・不眠・多夢・精神不安・いらだち
石(せっ) 斛(こく)————ラン科 性味 微寒、甘 帰経 肺・胃・肾 常用量 6~12g
期待される効能
① 益(えき)胃生津(いしょうしん):胃陰虚によるのどの渴き・消渴(多食・多飲・多尿・瘦せ)・胃痛・歯茎の赤みや腫れ・舌苔の乾燥・黑っぽい舌苔
② 滋陰清熱:視力の減退・足腰のだるさ・ほてり・のぼせ
麦門(ばくもん)冬(どう)————ユリ科 性味 微寒、甘・微苦 帰経 肺・心・胃 常用量 6~12g
期待される効能
① 養(よう)陰生津(いんしょうしん):胃陰不足による舌の乾燥・のどの渴き・便秘
② 潤(じゅん)肺(ばい)清心(せいしん):肺陰不足による空咳・少量の痰・心陰虚による不眠・多夢・健忘・動悸・焦燥
沙参(しゃじん)(南沙参)————キキョウ科 性味 微寒、甘 帰経 肺・胃 常用量 6~12g
期待される効能
① 清(せい)肺(はい)養(よう)陰(いん):肺陰虚による咳・喘息・少量の痰・のどや鼻の乾燥
② 清(せい)胃生津(いしょうしん):熱による津液不足の口と舌の乾爍・のどの渴き・舌の赤み・便秘
苺(いちご)————バラ科 性味 涼、甘・酸 帰経 肝・胃・肺 常用量 好みでよい
期待される効能
① 潤(じゅん)肺生津(はいしょうしん)・滋(じ)陰(いん)補血(ほけつ):肺陰虚の空咳・のどの痛み・声嗄(が)れ・寝汗・微熱
② 清熱(せいねつ)解毒(げどく)利尿(りにょう):熱による口内炎・歯茎の出血・排尿痛・排尿不調
③ 健脾和(けんひわ)胃(い):食欲不振・消化不良
女(じょ)貞子(ていし)————モクセイ科 性味 涼、甘・苦 帰経 肝・腎 常用量 6~12g
期待される効能
① 滋補(じほ)肝腎(かんじん):めまい・耳鳴り・かすみ目・不眠・多夢・腰膝のだるさ・遺精
② 烏須(うす)明目(めいもく):視力の減退・かすみ目・白髪
白(しろ)胡麻(ごま)————ゴマ科 性味 平《寒)、甘 帰経 肺・脾·大腸 常用量 好みでよい
期待される効能
潤燥滑(じゅんそうかっ)腸(ちょう):陰液不足による皮膚の乾燥・赤み・便秘
玉(ぎょく)竹(ちく)————ユリ科 性味 平(微寒)、甘 帰経 肺·胃 常用量 9~15g
期待される効能
① 滋(じ)陰(いん)潤(じゅん)肺(はい):肺胃陰傷による空咳・少量の痰・のどの痛み・声嗄れ
② 生津止渴(しょうしんしかつ):肺胃陰傷によるのどの渴き・多飲·食欲不振
参考文献:
1) 関口善太著.〈イラスト図解〉東洋医学のしくみ.日本実業出版社,2003
2) 辰巳洋著.実用中医薬膳学.東洋学術出版社,2008
3) 平馬直樹・浅川要・辰巳洋著.オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書.株式会社ナツメ社,2014
4) 辰巳洋著.薬膳茶のすべて.株式会社 緑書房,2017
5) 仙頭正四郎著.最新 カラー図解 東洋医学 基本としくみ.株式会社西東社,2019






