
はじめに
高血圧は、脳卒中の最大のリスク因子であることを知っていますか?
血圧が高いほど、脳卒中の発症率は高まります。
高血圧はいわゆる生活習慣病の一つであり、ちょっとした生活習慣の改善で、脳卒中のリスクを大きく下げることができます。脳卒中は決して高齢者だけの疾患ではありません。みなさんも、今日から生活習慣を見直してみませんか?
脳卒中の種類と高血圧の関係
血圧との関係を紐解く前に、脳卒中という病気について簡単にお話したいと思います。
脳卒中とは、血管が詰まる「脳梗塞」と、血管が破れる「脳出血」、血管にできた瘤が破れる「クモ膜下出血」に分かれます。さらに、脳梗塞は、細い血管が詰まる「ラクナ梗塞」、比較的太い血管が詰まる「アテローム血栓性脳梗塞」、心臓で出来た血栓が脳の太い血管に詰まる「心原性脳塞栓症」に分かれます。


|
つまり、脳卒中は「血管の病気」です。 血圧が高いと血管の内壁に大きな圧力がかかります。この状態が長く続くと、脳の血管に負担をかけて血管を傷つけたりすることで、動脈硬化が進んだり、血管がとても脆くなったりします。 |
![]() |
|
動脈硬化で、血管が詰まり易くなれば脳梗塞発症のリスクが高まりますし、血管がもろくなれば、血圧の上昇で、容易に血管や血管にできた瘤が破け、脳出血やクモ膜下出血をきたします。高血圧は、24時間休みなく血管にダメージを与え続けるため、「サイレントキラー」とも言われます。 特に、脳出血とクモ膜下出血は、高血圧が直接的な原因となることが多く、血圧の管理が重要です。 |

これは、脳卒中を発症した患者の既往歴を調べたものです。おおよそ7割の脳卒中患者に、高血圧の症状があります。
脳卒中のリスク因子
脳卒中には、いくつかのリスク因子があります。
年齢や性別、家族歴などのリスク因子は変えることができませんが、高血圧、喫煙、肥満、糖尿病、脂質異常症、過度の飲酒、運動不足、不整脈等は改善可能なリスク因子です。
この中でも、高血圧は最大のリスク因子であり、最も重要な改善可能なリスク因子だと言えます。
では、適正な血圧はどのくらいなのでしょうか。
日本高血圧学会のガイドラインでは、
血圧目標:130/80mmHgを推奨しています。
特に、家庭で血圧を測る際は、
血圧目標:125/75mmHgを推奨しています。
これは、家庭で血圧を測るときには、数値が低く出る傾向にあるためです。
また、朝方に血圧が上昇する「早朝高血圧」は仮面高血圧の一種で、注意が必要な高血圧です。
毎日の血圧測定習慣が重要
以下は、血圧測定時のポイントです。
毎日継続して測定し、できれば上腕式の自動血圧計を選びましょう(手首式は誤差が大きい場合あり)

高血圧を予防/改善するための生活習慣
高血圧は、生活習慣の見直しによって、予防や改善が期待できます。
毎日の血圧測定、ストレス管理、定期的な医療機関への受診(降圧薬の使用)、減塩や運動習慣、適正体重の維持や、糖尿病の管理などが重要です。
これからの時期は、ヒートショック(暖かい場所から急に寒い場所に移るなど)による血圧の急激な変動もリスクとなります。

脳卒中予防十か条は、高血圧の管理等の脳卒中発症予防行動について書かれています。是非、日々の生活習慣の改善に取り入れてみてください。

(出典:くまもと県 脳卒中ノート 改定第2版 P19、P20)
脳卒中について興味がある方は、ぜひ前回の記事や啓発動画もご覧ください。
【脳卒中で入院した方・ご家族にお伝えしたいこと】第1部 脳卒中の治療が始まりました
(出典:一般社団法人日本脳卒中学会、公益社団法人日本脳卒中協会)







