HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

医師監修

第八十九回東洋医学療法の紹介コラム72薬膳茶㉒目的別・薬膳茶に使う食薬ー清⑦

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中医学の色・お茶の色

 

滋陰類②

 

牛乳(ぎゅうにゅう)——牛科動物の黄牛の白乳汁 性味 平、甘 帰経 心・肺・胃 常用量 好みでよい

 

期待される効能

① 潤(じゅん)肺(ぱい)益(えき)胃(い):肺胃虚弱による皮膚乾燥・かゆみ・微熱・寝汗・疲れ

② 生津(しょうしん)潤(じゅん)腸(ちょう):陰血虧損によるのどの渇き・消渴(多食・多飲・多尿・瘦せ)・便秘

 

注意

飲みすぎると下痢をする。

 

枸杞子(くこし)——ナス科 性味 平、甘 帰経 肝・肾・肺 常用量 6~12g

 

期待される効能

① 滋補(じほ)肝腎(かんじん):肝腎陰虚による白髪・めまい・腰膝のだるさ・遺精・消渴(多食・多飲・多尿・痩せ)

② 明目(めいもく)潤(じゅん)肺(ぱい):肝腎陰虚による視力減退・眼精疲労・肺腎陰虚による慢性咳・喘息

 

銀(ぎん)耳(じ)——シロキクラゲ科  性味 平、甘・淡  帰経 肺・胃・腎 常用量 好みでよい

 

期待される効能

① 滋(じ)陰(いん)潤(じゅん)肺(ぱい):肺陰虛による咳・咳血・皮膚乾燥

② 養(よう)胃生津(いしょうしん):陰虚によるのどの渴き・微熱

 

黒胡麻(くろごま)——ゴマ科 性味 平、甘 帰経 肝・腎・大腸 常用量 好みでよい

 

期待される効能

① 滋補(じほ)肝腎(かんじん):肝腎不足・精血虧損の耳鳴り・頭痛・めまい・ほてり・白髪・微熱・寝汗・空咳

② 潤(じゅん)腸通便(ちょうつうべん):大腸の乾燥による便秘

 

 

黄精(おうせい)——ユリ科 性味 平、甘 帰経 脾・肺・腎 常用量 6~15g

 

期待される効能

① 滋(じ)陰(いん)潤(じゅん)肺(ぱい):肺陰虚による痰のない空咳

② 補脾(ほひ)益(えき)気(き):脾胃気虚による倦怠無力・食欲不振・腹部の張り・のどの乾燥・便秘

③ 益(えき)精補(せいほ)腎(じん):腎精不足による足腰のだるさ・めまい

 

中医学の色・お茶の色

 

薬膳茶には、野菜・果物・榖類・豆類などの食材をよく使います。葉もの野菜は「緑」、トマトやザクロは「赤」、南瓜(かぼちゃ)は「黄」、なすや紫芋は「紫」、黑胡麻は「黑」、豆乳は「白」というように色合いが非常に多彩です。同様に、薬膳茶に使う中薬も、紅花や枸杞子は「赤」、山栀子・姜黄は「黄」、竹葉・緑豆は「緑」、地黄・黄精は「黑」、そしてまさにお茶の色である「茶」と、色彩に富んでいるのです。

中医学では、季節や臓腑に関連して色を五色にわけます。新芽が生える春は「青」、暑い夏は「赤」、夏の終わりから秋の始まりの長夏は湿度が高く、農作物が熟れ始める時期なので「黄」、植物の収穫期である秋は「白」、寒くて凍える冬は「黒」。五臓では、肝に「青」、心に「赤」、脾に「黄」、肺に「白」、肾に「黑」が入りやすいと考えられています 。中医学と色は切っても切れない関係にあるといえるでしょう。

多種類の薬膳茶を並べてみますと、同じ色合いであっても濃淡に違いがあり、そのカラフルな美しさに思わず感動させられます。薬膳茶は、飲むことで健康を維持し体調を整えるだけでなく、見た目からも人をリラックスさせ、楽しい気分にしてくれるものです。つまり、心身の両面に効果があることを実感できます。

 

 

 

参考文献:

1)関口善太著.〈イラスト図解〉東洋医学のしくみ.日本実業出版社,2003

2)辰巳洋著.実用中医薬膳学.東洋学術出版社,2008

3)平馬直樹・浅川要・辰巳洋著.オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書.株式会社ナツメ社,2014

4)辰巳洋著.薬膳茶のすべて.株式会社 緑書房,2017

5)仙頭正四郎著.最新 カラー図解 東洋医学 基本としくみ.株式会社西東社,2019

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