HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

医師監修

第九十一回東洋医学療法の紹介コラム74薬膳茶㉔目的別・薬膳茶に使う食薬ー泄②

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利水滲湿類(りすいしんしつるい)

 

冬瓜子(とうがんし)(化痰止咳平喘類)——ウリ科 性味 寒・甘 帰経 肺・脾・小腸 常用量 3〜12g

 

期待される効能

① 祛湿(きょしつ)利尿(りにょう):混濁尿・おりもの・排尿痛・排尿困難

② 清肺消癰排(せいはいしょうようはい)膿(のう):痰熱による咳・黄色い痰・胸膈(きょうかく)のつかえ・肺癰(はいよう)(肺の急性化膿性疾患)・腸癰(ちょうよう)(盲腸の急性化膿性疾患)

 

 

冬瓜皮(とうがんひ) ——ウリ科 性味 微寒(涼)・甘 帰経 肺・脾・小腸 常用量 15〜30g

 

期待される効能

① 利水消腫(りすいしょうしゅ):むくみ・排尿不調

② 清熱解暑(せいねつかいしょ):暑熱による強いのどの渇き

 

 

車前子(しゃぜんし) ——オオバコ科  性味 微寒・甘  帰経 肝・腎・肺・小腸 常用量 9〜15g(新鮮品30〜60g)

 

期待される効能

① 利尿通淋(りにょうつうりん):湿熱による尿量減少・尿が濃い・排尿不調

② 滲湿止瀉(しんしつししゃ):湿熱によるむくみ・下痢

③ 明目祛(めいもくきょ)痰(たん):肝熱による目の充血・目の痛み・目の乾燥・視力低下・多量の痰・咳

 

注意

妊婦は禁忌。

 

冬瓜(とうがん) ——ウリ科  性味 涼・甘・淡  帰経 肺・大腸・膀胱 常用量 好みでよい

 

期待される効能

① 清熱(せいねつ)解毒(げどく)利尿(りにょう):暑がり・むくみ・排尿不調

② 生津止渇(しょうしんしかつ):熱によるのどの渇き

 

注意

食べ過ぎると口内が荒れ、ひどくなると出血する。

 

西瓜皮(すいかひ)(西瓜(すいか)翠(すい)衣(い)) ——ウリ科  性味 涼・甘  帰経 心・胃・肺・腎 常用量 乾燥品10〜15g、新鮮品30g

 

期待される効能

① 利尿(りにょう):暑熱による排尿不調・尿が濃い・黄疸・むくみ

② 清熱解暑(せいねつげしょ):暑熱によるのどの渇き・焦燥感

 

 

薏苡(よくい)仁(にん)(はと麦)——イネ科  性味 涼・甘・淡  帰経 脾・胃・肺 常用量 6〜10g

 

期待される効能

① 滲湿利尿消腫(しんしつりにょうしょうしゅ):むくみ・排尿不調・脚気

② 健脾除痹(けんぴじょしひ):脾気虚による湿証の疲労・食欲不振・下痢

③ 清熱排(せいねつはい)膿(のう):肺と大腸の熱による胸痛・腹痛・咳・膿血が混じる痰

 

玉(ぎょく)米(べい)(とうもろこし)——イネ科  性味 平・甘  帰経 脾・肝・腎・大腸・胃 常用量 好みでよい

 

期待される効能

① 清熱利湿排(せいねつりしつはい)石(せき):むくみ・排尿不調・尿結石

② 健脾(けんぴ)益(えき)肺(はい):疲労・少食・腹部の張り

③ 調(ちょう)中和(ちゅうわ)胃(い):食欲不振

 

玉(ぎょく)米(べい)鬚(しゅ)(とうもろこしのひげ)——イネ科  性味 平、甘  帰経 膀胱・肝・胆 常用量 好みでよい

 

期待される効能

① 利尿消腫(りにょうしょうしゅ):むくみ・排尿不調・尿結石

② 利湿退(りしつたい)黄(おう):湿熱による黄疸

 

 

大豆(だいず) ——マメ科  性味 平・甘  帰経 脾・胃・大腸 常用量 好みでよい

 

期待される効能

健脾(けんぴ)利水(りすい)解毒(げどく):脾気虚によるむくみ・疲れ・消痩・関節の腫れと痛み・下痢

 

 

小豆(あずき)——マメ科  性味 平・甘・酸  帰経 心・小腸 常用量 9〜30g

 

期待される効能

① 利尿(りにょう)除湿(じょしつ):むくみ・胃のもたれ・下痢

② 解毒排(げどくはい)膿(のう):熱毒瘡瘍(熱による皮膚の腫れと赤み)

 

 

黒豆(くろまめ)——マメ科  性味 平・甘  帰経 脾・腎 常用量 30〜60g

 

期待される効能

① 活(かっ)血(けつ)利水(りすい)解毒(げどく):むくみ・腹水・関節の腫れと痛み・吹き出物・薬物中毒

② 滋陰補血祛風(じいんほけつきょふう):陰血不足によるめまい・生理不順・水虫・皮膚の化膿性疾患

 

 

茯苓(ぶくりょう) ——サルノコシカケ科  性味 平・甘・淡  帰経 心・脾・腎 常用量 10〜15g

 

期待される効能

① 利水滲湿消腫(りすいしんしつしょうしゅ):水湿内停によるむくみ・排尿不調・多量の痰・めまい

② 健脾(けんぴ)寧(ねい)心(しん):心脾両虚による倦怠無力・食欲不振・下痢・不眠・動悸・不安

 

注意

酢と相性が悪いので注意する。

 

 

参考文献:

1)関口善太著.〈イラスト図解〉東洋医学のしくみ.日本実業出版社,2003

2)辰巳洋著.実用中医薬膳学.東洋学術出版社,2008

3)平馬直樹・浅川要・辰巳洋著.オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書.株式会社ナツメ社,2014

4)辰巳洋著.薬膳茶のすべて.株式会社 緑書房,2017

5)仙頭正四郎著.最新 カラー図解 東洋医学 基本としくみ.株式会社西東社,2019

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王 暁東

王 暁東(おう きょうとう)

現職:御幸病院 漢方研究室 主任研究員

経歴

【経歴】
5代続く中医学医師の家庭に生まれ、幼少の頃より家族から中医学の基礎を教わる。
1993年 河北医科大学中医学院中医学部大卒
総合病院中医科中医師(中医総合科)として勤務                       
1997年 熊本大学医学部第二生理学科に入局、脳・免疫科学の知覚生理学を専攻
2002年 熊本大学大学院医学研究科修士博士連合課程卒 
医学博士取得(西洋医学)
2016年 南京中医薬大学中医学院に入学、中医学臨床基礎・経方(漢方)医学を専攻
2019年 南京中医薬大学博士課程卒
医学博士取得(中医学) 
2004年~ 中国南京中医薬大学 客員教授
2014年~ アメリカ自然医学研究院 研究員
2020年~ 中国河北中医薬大学 客員教授
1999年~ 御幸病院および複数の医療機関に中医師・研究員・講師として勤務

【資格】

・医師(中国国家資格・中医師)
・医学博士(中国・中医学)
・医学博士(日本・西洋医学)
・自然医学療法医師(アメリカ自然医学学会)

【学会役職】

・世界中医薬学会聯合会 経方専業委員会 副会長
・世界中医薬学会聯合会 治未病専門委員会 常務理事
・日本中医協会 副会長