
消(しょう)
体内に停留した宿食・痰など邪気を取り除きます。
芳香化湿類(ほうこうかしつるい) 消化を促進する
身体の虚弱・ストレス・病気などの原因で、食欲がないときに香りのある芳香化湿類の食薬を使い、食欲を誘います。これらの食薬は気機の巡りをよくし、消化を促進する作用もあるため、食欲不振・げっぷ・吐き気・嘔吐・胸焼け・腹部の張り・大便失調などの症状に用います。ただし揮発性が強いため、煎じるときにはほかのものより後に入れるか、煎じる時間を短くします。粉末もよく利用します。また、消食類の食薬によって消化を促進します。
消食類(しょうしょくるい) 消化不良を改善する
脾胃の働きの失調や低下により、食欲不振・胃のもたれ・腹部の張り・げっぷ・胸やけ・吐き気・嘔吐など消化不良の症状が出ます。このときにおすすめの食薬です。
化痰止(かたんし)咳平喘類(がいへいぜんるい) 咳・喘息・痰の症状を改善する
乾燥する秋、寒い冬には咳と喘息の症状がよく現れます。食べ過ぎ・喫煙・肥満の場合は白い痰・黄色い痰・咳などの症状もときどきみられます。このようなときには、化痰止咳平喘類の食薬をおすすめします。呼吸機能を調節し、痰湿を取り除き、痰湿体質を改善する働きをもっているためです。
芳香化湿類
砂(しゃ)仁(にん) ——ショウガ科 性味 温・辛 帰経 脾・胃・腎 常用量 3~6g
期待される効能
① 化湿(かしつ)行(こう)気(き)止瀉(ししゃ):脾胃気滞による食欲不振・吐き気・嘔吐・腹部の張りと痛み・下痢
② 温(おん)中安(ちゅうあん)胎(たい):つわり・胎動不安・切迫流産
白豆蔲(びゃくずく) ——ショウガ科 性味 温・辛 帰経 肺・脾・胃 常用量 3~6g
期待される効能
① 化湿(かしつ)行(こう)気(き):脾胃気滞による吐き気・嘔吐・腹部の張りと痛み・食欲不振・胸のつかえ
② 温中止嘔(おんちゅうしおう):寒湿気滞による吐き気・嘔吐
草豆蔲(そうずく) ——ショウガ科 性味 温・辛 帰経 脾・胃 常用量 3~6g
期待される効能
燥湿(そうしつ)行(こう)気(き)・温中止嘔(おんちゅうしおう):寒湿阻胃による腹部の張りと冷えを伴う痛み・嘔吐・下痢
草果(そうか) ——ショウガ科 性味 温・辛 帰経 脾・胃 常用量 3~6g
期待される効能
① 燥湿(そうしつ)温中(おんちゅう):寒湿が脾胃を阻害する胃腹の張り・嘔吐・下痢
② 除痰截(じょたんせつ)瘧(ぎゃく):マラリア
注意
黄色になるまで乾炒りにするか、生姜(しょうきょう)汁で炒めると効果が高まる。
石(せき)菖蒲(しょうぶ)(開竅(かいきょう)類) ——サトイモ科 性味 温・辛・苦 帰経 心・胃 常用量 3~9g
期待される効能
① 化湿和(かしつわ)胃(い):湿濁気阻による胸腹部のつかえ・食欲不振・胃のもたれ・疼痛
② 寧(ねい)神(しん)益(えき)志(し):痰湿(たんしつ)邪気(じゃき)(心と脳に気が詰まること)による不眠・健忘・恐怖・耳鳴り
③ 開竅醒(かいきょうせい)神(しん):痰湿邪気による精神混乱・意識不明・痴呆
藿(かっ)香(こう) ——シソ科 性味 微温・辛 帰経 脾・胃・肺 常用量 5~10g
期待される効能
① 化湿止嘔(かしつしおう):湿阻中焦による脘腹満悶(かんぷくまんもん)(腹部の張り・もたれ)・食欲不振・嘔吐
② 発表解暑(はっぴょうかいしょ):風寒・暑湿による悪寒・発熱・頭痛・嘔吐・下痢
参考文献:
1) 関口善太著.〈イラスト図解〉東洋医学のしくみ.日本実業出版社,2003
2) 辰巳洋著.実用中医薬膳学.東洋学術出版社,2008
3) 平馬直樹・浅川要・辰巳洋著.オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書.株式会社ナツメ社,2014
4) 辰巳洋著.薬膳茶のすべて.株式会社 緑書房,2017
5) 仙頭正四郎著.最新 カラー図解 東洋医学 基本としくみ.株式会社西東社,2019






