
通(つう)①
気の巡り、血の流れを促進し、気血の滞りを改善します。
理(り)気(き)類 気の巡りをよくする
体内の気の運動を気機とよび、気が常に昇・降・出・入の方向に巡ることで健康が保たれます。ストレスがたまると気が詰まり、特に肝・脾・胃・肺などの臓腑に影響を及ぼします。肝(かん)気(き)鬱結(うっけつ)によりうつ・胸のつかえ・脇痛・腹部の張り・疼痛・生理不順・大便失調などの気滞症状が現れ、肺気壅滞(ようたい)すると喘息・咳嗽、胃気上逆するとげっぷ・吐気・嘔吐などの気逆症状が現れます。この場合は、理気類の食薬を使います。
この食薬は辛・温・芳香の性味のものが多く、気機の巡りを調節してうつを解消し、さらに臓腑の働きを調節します。気と陰液を消耗するので注意しましょう。
止血(しけつ)類・活血化瘀(かっけつかお)類 血流を促進する
加齢とともに血管が固くなり、血流が停滞して血栓もできやすくなるために、胸痛・脇痛・頭痛・関節の痛み・麻痺・肢体不随の症状が出ます。また、女性の生理痛・生理不順・閉経・産後腹痛・腫塊など各種の瘀(お)血(けつ)証も現れます。このとき理血類(止血類と活血化瘀類)の、特に活血化瘀類の食薬を用います。これらの食薬は活血化瘀により、血液の循環を改善して瘀血を解消します。また通経利痺(つうけいりひ)による経絡の流れをよくすることで、関節の痛み・麻痺を改善します。血液の循環がよくなるとむくみは解消し、痛みを和らげる消腫・定痛の効果が現れます。
理(り)気(き)類
みかん ——ミカン科 性味 温、甘・酸 帰経 肺・脾・胃 常用量 好みでよい
期待される効能
① 理(り)気(き)健(けん)胃(い):胸腹部の張り・嘔吐・食欲不振
② 燥湿化(そうしつか)痰(たん):咳・多量の痰・下痢
注意
温性なので暑がり、のぼせる人は控える。
きんかん ——ミカン科 性味 温、甘・酸 帰経 肺・脾・肝 常用量 好みでよい
期待される効能
① 理(り)気(き)解(げ)鬱(うつ):気うつ状態・精神不安・胸隔のつかえ
② 化痰醒(かたんせい)酒(しゅ):多量の痰・咳・二日酔い
茉莉(まつり)花(か) ——モクセイ科 性味 温、苦・辛・甘 帰経 肝 常用量 3〜5g
期待される効能
理(り)気(き)開(かい)鬱(うつ)和中(わちゅう):うつ状態・ため息・脇肋の張りと痛み・胃痛・腹痛・下痢
玫瑰(まいかい)花(か)——バラ科 性味 温、甘・微苦 帰経 肝・脾 常用量 3〜9g
期待される効能
① 疏(そ)肝(かん)解(げ)鬱(うつ):肝胃不和による胃痛・脇肋の張りと痛み・げっぷ・食欲不振
② 和血散瘀(わけつさんお)・活(かっ)血(けつ)止痛(しつう):瘀血による生理不順・胸痛・外傷瘀痛
参考文献:
1)関口善太著.〈イラスト図解〉東洋医学のしくみ.日本実業出版社,2003
2)辰巳洋著.実用中医薬膳学.東洋学術出版社,2008
3)平馬直樹・浅川要・辰巳洋著.オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書.株式会社ナツメ社,2014
4)辰巳洋著.薬膳茶のすべて.株式会社 緑書房,2017
5)仙頭正四郎著.最新 カラー図解 東洋医学 基本としくみ.株式会社西東社,2019






