HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

医師執筆

第九十八回東洋医学療法の紹介コラム82薬膳茶㉜目的別・薬膳茶に使う食薬ー補①

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補(ほ)①

気血の不足を補養し、虚弱症状を改善します。

「温」の助陽(じょよう)類と「清」の滋(じ)陰(いん)類も含まれます。

 

補(ほ)気(き)類 臓腑の働きを高める

 

虚弱の体質、加齢、病気などによる臓腑の働きの低下はよくあります。虚弱の症状はさまざまですが、症状が出やすい臓腑は肺(風邪を引きやすい・慢性の咳・喘息・気温に関係なくかく汗・息切れ)、脾(食欲減少・疲れ・腹部の張り・下痢)、心(動悸・汗)、腎(むくみ・頻尿・尿の漏れ・喘息・疲れ・下痢)などです。

虚弱を改善するには補気類の食薬を使い、よく収(しゅう)渋(じゅう)類の食薬と合わせます。補気類の食薬は気滞になりやすいので、行気の働きがある食薬と一緒に使いましょう。

 

 

養(よう)血(けつ)類 血を補養する

 

女性には貧血の症状がよくみられます。毎月の生理だけでなく、妊娠時には血液によって胎児を育て、産後の母乳も血液から作られるので、女性は一生「常に血の不足状態」といわれています。

血が不足すると、心血虚の顔色・唇が蒼白・めまい・動悸・多夢・不眠の症状と、肝血虚の爪色蒼白・めまい・不安・かゆみ・不眠・多夢などの症状が現れます。

このときに血を養うのが養血類の食薬です。この食薬は胃を傷めやすいので、砂(しゃ)仁(にん)・陳皮(ちんぴ)など行気健脾の食薬を一緒に使いましょう。気によって血が生じるため、養血のときは適度に補気類の食薬も選択します。

 

 

収(しゅう)渋類(じゅうるい) 臓腑の働きの低下による漏れの症状を改善する

 

腎と脾の働きが低下すると、汗をかきやすい・動悸・慢性の咳・慢性下痢・頻尿・遺精・滑精などの漏れの症状が出ます。このときにおすすめの食薬です。性質が温性で、酸味・渋味をもつものが多くあります。表証(風邪)では収斂(しゅうれん)の働きにより風邪を体内にとどめてしまうことがあるため、使用は避けましょう。

 

補(ほ)気(き)類

糯(もち)米(ごめ)——イネ科  性味 温、甘  帰経 脾・胃・肺 常用量 好みでよい

期待される効能

①  補中(ほちゅう)益(えっ)気(き)・健脾止瀉(けんぴししゃ):気虚によるめまい・疲れ・食欲不振・少食・めまい・下痢など

②  固表止(こひょうし)汗(かん):気温に関係なくかく汗・少食・めまい・下痢・風邪を引きやすい

注意

①  にきびや湿疹のできやすい人、のぼせ、蓄膿症、慢性気管支炎、アレルギー体質の人は、餅や赤飯を多食したり常食しないようにする。

②  温性なので、陽盛による便秘に注意する。

 

栗(くり)——ブナ科  性味 温、甘  帰経 脾・胃・腎 常用量 好みでよい

期待される効能

①  補脾止瀉(ほぴししゃ):脾気虚による少食・疲れ・腹部冷痛・下痢

②  補腎強筋(ほじんきょうきん):腎気虚による足腰のだるさ・咳・喘息・頻尿・夜尿

③  活(かっ)血止(けつし)血(けつ):鼻血・吐血・血便などの出血

 

大棗(たいそう)——クロウメモドキ科  性味 温、甘 帰経 脾・胃・心 常用量 好みでよい

期待される効能

①  補中(ほちゅう)益(えっ)気(き):疲れ・食欲不振・めまい

②  養(よう)血(けつ)安神(あんしん):顔色萎黄・躁うつ・動悸・不眠・多夢・いらだち

③  緩和(かんわ)薬性(やくせい):寒性・涼性、苦味・辛味の食薬の性味を緩和させる

 

参考文献:

1)関口善太著.〈イラスト図解〉東洋医学のしくみ.日本実業出版社,2003

2)辰巳洋著.実用中医薬膳学.東洋学術出版社,2008

3)平馬直樹・浅川要・辰巳洋著.オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書.株式会社ナツメ社,2014

4)辰巳洋著.薬膳茶のすべて.株式会社 緑書房,2017

5)仙頭正四郎著.最新 カラー図解 東洋医学 基本としくみ.株式会社西東社,2019

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