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鍼灸師が教える「秋暑の疲れ」におすすめのツボ

秋暑の候には、冷たいものの摂りすぎで影響を受けやすい胃腸(東洋医学でいうところの脾胃)の働きをサポートしてあげることが大切です。おすすめのツボは、皆さんもよくご存じの「足三里(あしさんり)」。胃の経絡のツボです。


ツボの位置は、脛(すね)を下から軽くさすって指が止まったところから外側へ3cmほどの場所にあります。

夏バテでよくみられる食欲不振や下痢、倦怠感などのほか、気を補うツボとしても知られており、昔から養生のツボとしても有名です。

 

こぶしを握り、トントンと軽く叩くだけでも気持ちがよいので、私は通勤中の車内で信号待ちの時間などにやっています。そのうちに身体全体がポカポカしてきて、眠たい目もだんだんと開いてきて「さあ、今日も1日がんばるぞー」という気持ちになります。

 

早速ツボを押してみましょう

 

 

秋暑の疲れにおすすめのツボをもう一つご紹介します。

それは失眠(しつみん)のツボです。字のごとく不眠のときに用いるツボです。この時期は季節の変わり目で寝苦しかったり、寒暖差から自律神経が乱れ睡眠不足に陥りやすかったりする方も多いのではないでしょうか。日中に受けたダメージは、質のよい睡眠でしっかりと回復させる必要があります。場所は踵(かかと)の中央です。

 

指圧もよいですが、「お灸」もおすすめです。

お灸にはさまざまなタイプがありますが、「台座灸」なら自分でも比較的簡単にできます。

 

失眠といえば、忘れられないエピソードが… 私が鍼灸学校の学生のころ、数日後にお灸の実技試験を控えており、皮膚が厚く火傷をしにくいこの失眠のツボで、一生懸命、もぐさを小さく捻ってお線香で火をつける練習をしていました。すると翌朝、思いっきり寝坊をしてしまい、学校に遅刻してしまったのです!

 

時間の感覚がなくなるほどの深い眠りで、遅刻したことは苦い思い出ですが、一方で失眠のツボの威力に驚き感動した瞬間でした。不眠のほかに、むくみにもよいといわれています。足が冷えむくみやすい方にもおすすめしたいですね。

 

台座灸とは?

セルフケア用には台座灸をおすすめしています。もぐさと皮膚の間に台紙があるためもぐさが直接肌に触れず、初心者の方でも安心して使用できます。

 

では‼ 指圧、お灸をためしてみましょう♪

 

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王 暁東

王 暁東(おう きょうとう)

現職:御幸病院 漢方研究室 主任研究員

経歴

【経歴】
5代続く中医学医師の家庭に生まれ、幼少の頃より家族から中医学の基礎を教わる。
1993年 河北医科大学中医学院中医学部大卒
総合病院中医科中医師(中医総合科)として勤務                       
1997年 熊本大学医学部第二生理学科に入局、脳・免疫科学の知覚生理学を専攻
2002年 熊本大学大学院医学研究科修士博士連合課程卒 
医学博士取得(西洋医学)
2016年 南京中医薬大学中医学院に入学、中医学臨床基礎・経方(漢方)医学を専攻
2019年 南京中医薬大学博士課程卒
医学博士取得(中医学) 
2004年~ 中国南京中医薬大学 客員教授
2014年~ アメリカ自然医学研究院 研究員
2020年~ 中国河北中医薬大学 客員教授
1999年~ 御幸病院および複数の医療機関に中医師・研究員・講師として勤務

【資格】

・医師(中国国家資格・中医師)
・医学博士(中国・中医学)
・医学博士(日本・西洋医学)
・自然医学療法医師(アメリカ自然医学学会)

【学会役職】

・世界中医薬学会聯合会 経方専業委員会 副会長
・世界中医薬学会聯合会 治未病専門委員会 常務理事
・日本中医協会 副会長