ぼたん園におけるケアと自律神経
ぼたん園では、ご利用者様に対して自律神経が乱れないように日々適切なケアを心がけています。
皆様の中でも、自律神経が乱れるような症状を経験されたことはありませんか。
自律神経が乱れた際には、①頭痛②胸が圧迫される③肩こり④めまい⑤だるい⑥朝すっきりしない⑦イライラする⑧集中力がないなどの症状が現れます。
ご利用者様においても、上記のような訴えをされる方がおられます。病気からくる症状である場合もありますが、自律神経の乱れからくる症状もあろうと思い、お一人お一人のご利用者様に沿ったケアができるように心がけています
自律神経とは
自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」の2つに分かれています。
「交感神経」は体を活発に動かすときに働き、「副交感神経」は体を休めるときに働きます。
<例>
心臓: 「交感神経」脈が速くなる 「副交感神経」脈がゆっくりとなる
肺 : 「交感神経」呼吸が促進される 「副交感神経」呼吸が抑制される
瞳孔: 「交感神経」開く 「副交感神経」閉じる
唾液: 「交感神経」減る 「副交感神経」増える
胃腸: 「交感神経」抑制される 「副交感神経」活発に働く
汗腺: 「交感神経」汗が出る
などです。
自律神経が乱れる原因は
それでは自律神経が乱れる原因を考えてみましょう
「ストレス」と「生活習慣の乱れ」が大きく影響をしていると言われています。
施設に入所されますと環境が変わりますので慣れるまでに一定期間の時間が必要となります。
看護職は疾患管理や病態における不安を軽減するためのご説明を行い、介護職は適切な食事、排せつや入浴を心地よく行えるようにケアを行っています。
「ストレス」が0になることは難しいですが、規則正しい日常生活になるように配慮をしております。
「生活習慣の乱れ」は、人には体内時計が備わっていますので、朝日を浴びてから1日が始まり、日中はリハビリやレクリエーションなどの活動を活発に行うことで交感神経を働きやすくさせ、夕食後はゆっくりとした活動から就寝までの緩やかな時間を作り、暗い中での就寝をしていただいております。認知症が強くなりますと、体内時計が狂い昼夜逆転などを起こります。それにより「朝起きることができない」「だるい」「やる気が出ない」「眠いので何もしない」などの訴えをするようになります。このよう副交感神経から交感神経への切り替えをうまくできないといけないので、影響がでないようにケアを行っています。
自律神経を整えましょう
先ほども述べましたように、1日の体内時計を適切に整え、交感神経と副交感神経がうまく切り替わるようにする行動をしています。ケアの中で取り入れている内容を下記に記します。
①眠りが悪くても、朝日を浴びて適切な時間に朝食をとる
→これは睡眠リズムを整えるためにも重要です。朝日で体内時計をリセットします。
②手軽な運動をする
血流が悪くなると自律神経に影響を及ぼします。
ぼたん園では、午前中には運動としてYouTubeなどを見ながらみんなで行っています。
個別リハビリテーションを行う時間もあります。
これを見ていただいている方にはストレッチなどはいかがでしょうか。
首や肩などのストレッチをすることも有効です。
③湯船にゆっくりと浸かる
ぼたん園では週2回の入浴があります。
すべての方にゆっくりとお風呂に入るように5階の展望浴などで、気分をゆったりとしていただくようにしています。
清潔はもちろんもこと、副交感神経を優位にできるようにケアを行っています。
④「香り」を使ってリラックス
ぼたん園では、アロマを積極的に活用しています。
「ZEN」という精油を中心の使用をしています。
「ZEN」はオレンジ・スイート、リトセア、アトラスシダー、マンダリンの4種類の精油がブレンドされています。
主な作用として、鎮静、抗不安やリラックス効果などが見込まれています。
このような作用のある精油を使い、ご利用者様における日々の生活に潤いが出るようにしています。
アロマを使うことで副交感神経を優位にできるような時間帯で活用をし、より良い睡眠をとれるようケアをしています。
⑤遅い時間までテレビやスマホを見ない
就寝までスマホ等を見られるご利用者様もおられます。
画面から出るブルーライトは体内時計を遅らせる強い光と言われています。
就寝前まで見るようなことがないように声掛けを行っております。
これを見ていただいている方には、スマホからの情報による刺激を脳に与えることや、ブルーライトなど刺激により睡眠を妨げるものの使用を控えることも必要ではないでしょうか
まとめ
要支援、要介護の方だけでなく、健康な方でも自律神経を整えることは生活を充実させるためには重要です。
上記のように、ぼたん園では、アロマも積極的に取り入れております。
少しでも快適な日常生活を過ごしていただけるように、心と体のケアを考えながら笑顔を引き出し、お一人お一人の希望に沿うような日常生活が送れるように努力しております。
ケアを行うものとして、ご利用者様の生活をより良いものにするための対策を日々考えて行っておりますので、健康な方もご自身の生活リズムと、自律神経を整えることを考えてみてはいかがでしょうか。