皆さん、お肌の乾燥などが気になりませんか。
秋冬では、空気が乾燥をしているので、この季節になるとお肌のトラブルが多くなります。
お肌のトラブルがあると、かゆみなどの身体的な問題のみならず、それに伴う気分やメンタル面にも影響をしてしまいます。
今回は、特に乾燥などの影響を受けやすい高齢者のお肌の特徴とその対策についてご紹介します。
1.高齢者のお肌の特徴
皮膚は、そのいちばん外側にある角質層が皮脂の膜で守られることで水分が外に放出されるのを防いでいます。
しかし、加齢によって皮膚の弾力が無くなり、かつそれに伴い薄くなります。
また、汗や皮脂の分泌減少によるバリア機能がそこなわれ、皮膚の乾燥をおこしてしまいます。
乾燥が進むと皮膚表面がガサガサになり、白い粉が表面に出たり、ひび割れを起こしたりすることで、かゆみや痛みが発生します。
加齢に伴う以上のようなことが原因で、お肌がよりデリケートになってしまいます。
脆弱になったお肌は傷つきやすく、治りにくいという特徴を持ち、内出血や表皮剥離(皮むけ)が容易に起こります。
当介護老人保健施設ぼたん園においても、注意していても上記の皮膚状態が起こり、その予防対策に注力している状況です。
このようなことから、高齢者のお肌を守るためには、愛護的なスキンケアが大切となります。
2.対策・スキンケア
(1)洗浄・保清
刺激の少ない弱酸性の洗浄剤を使用してください。
洗う際には、ゴシゴシと皮膚をこするのではなく洗浄剤の泡を利用して、摩擦刺激を低減させます。
皮膚のバリア機能を保持し乾燥を予防するためには、強く皮膚を擦らないことが大切です。
また、入浴や清拭を行うことで皮膚の清潔な状態を保てますが、その際に熱いお湯は皮膚への刺激が強く、水分を保持する機能を低下させ、乾燥を助長すると言われております。
お湯の温度はぬるめの38度~40度程度が良いでしょう。
(2)保湿
皮膚が乾燥すると、かゆみだけでなく、滑らかさも失われるため一層傷ができやすくなります。
入浴や清拭後のお肌が清潔な状態のうちに、保湿することが大切です。
入浴後30分以内の保湿は効果的であるといわれていますので、入浴後に体を拭いたら早めに保湿クリームを塗布するようにしましょう。
保湿剤は、剤形(軟膏・クリーム・ローション)、塗りやすさ、保湿力・持続性などの特徴や好みによって選択しますが、皮膚が脆弱な方は刺激の少ないものを選択してください。
気になる方は、皮膚科医や薬剤師に相談されてみてはいかがでしょうか。
(3)保護
日常生活の中で、肌トラブルを防ぐための保護をする必要もあります。
皮膚が薄く内出血や傷ができやすい高齢者には、レッグカバーやアームカバーなどを使用することで、効果的に皮膚の保護ができます。
また、生活をされる中でぶつかりそうな物や転びそうな場所などを探し、事前に事故を防ぐためにその場所を保護するなどの対策を行うことも大切です。
介護の現場では、車椅子のフットレストや、ベッドやテーブルの脚など危険な箇所に対して予防対策や環境整備・環境設定を実施しています。
以上、基本的な高齢者のお肌のケアについてご紹介しました。
お肌の健康は身体を病気から守り、健康を維持するだけではなく、「安眠」や「気分・メンタル」にも作用して、
高齢者の【生活の質】を上げ、快適な生活につながります。
お肌を守るためには、楽しく継続できるような自身に合ったスキンケア方法を周りの方とコミュニケーションしながら探してみてください。
また、時には医師や薬剤師などの専門家に確認をして、よりよい生活ができるように工夫されてください。