皆さんは、毎日の歯磨きをどのようにされていますか。
1日3回歯ブラシで行う方、マウスウォッシュをされている方、歯間ブラシをされている方、フロスをされている方、様々であろうと思います。
その中でも、歯ブラシの選択には迷われませんか?ドラッグストアやスーパーでは沢山の歯ブラシが並び、おくちの大きさ、歯並び、持ち手の大きさ、値段等が違い、どれが自分に合う歯ブラシかがわからないことがあると思います。
また、「毎日歯磨きをしているのに虫歯になってしまった」「歯茎から血が出る」という経験がある人がそのほとんどではないでしょうか。
この場合、基本とする歯磨きのやり方に問題があるのかもしれません。
そこで今回は、歯磨きのやり方、歯ブラシの選び方や持ち方、保管方法、歯を磨く際の注意点などを紹介いたします。
毎日の歯磨きに取り入れて、虫歯や歯周病予防につなげていきましょう。
高齢者のお口の中の特徴
身体が年齢により変化するように口の中も変化していきます。
唾液の分泌量減少、歯の摩耗、歯茎のやせ、あごや舌の運動機能低下などが起きてきます。
それにより、歯間が広がるなど、歯磨きをするのにも若い時と違った対策が必要になります。
また入れ歯を使う方も増え、かつ口の中が渇きやすくなるなどの訴える方もいます。
このようなことから、日々の歯磨きが重要となります。
歯ブラシの選び方
高齢者に適した歯ブラシは、口の中の特徴からも言えるように、歯と歯の間にも入り込みやすく、乾燥しがちなデリケートなお口の中でも痛みを感じにくい柔らかいものをお勧めします。
毛束の大きさは、口が大きく開けることができる方は大きいものが良いかと思います。
縦だけでなく横も大きい、歯肉粘膜用歯ブラシを使用すると歯垢を減らす効果があり、かつ歯肉へのマッサージ効果もあるので、口の中を清潔にするには良いと思います。
毛束の小さいものは、口の中で動かす量も増え、細かい動作が必要となるので、操作が大変になります。
持ち手は、年齢が上がるほどに大きいものを使用されて下さい。大きい持ち手であれば、口の中全体に動かしやすくなります。
歯ブラシの交換時期
適切な交換時期は、1ヶ月が交換の目安です。
具体的な基準としましては、歯ブラシの毛束を裏側からみて、毛束がはみ出るようになったらお取り替え時です。
1日3回でこの状態になることが多いです。
新品の歯ブラシの施行除去率を100%とすると、毛先が少し開いた状態で80%、かなり広がった場合は60%まで低下します。
入れ歯のお手入れ方法
入れ歯の清掃には、入れ歯専用のブラシを使用されてください。
入れ歯専用のブラシは毛束が硬めにできており、握力が弱い方でも把持しやすいよう、持ち手が大きめになっています。
まずは洗面器に水を張り、流水をしながら軽い力で入れ歯を磨いてください。
特に歯肉などに接する内面は丁寧にやさしく磨いてください。就寝前には義歯洗浄剤を使用してお手入れをしましょう。
電動歯ブラシ
電動歯ブラシは高価であり、使い方を誤ると歯や歯茎を傷つける恐れがあります。
これによる歯の摩耗や歯肉退縮、知覚過敏などを起こすことがあります。
使い方が良ければ効果がありますので、使用をされる方は歯面への当て方などをかかりつけの歯科で指導を受けられてください。
ブラッシング
まず、歯磨きの前に数回うがいをして、食渣(たべかす)を洗い流しましょう。
【うがい】
次に歯と歯のあいだを清掃する糸ようじや歯間ブラシを使用します。
歯間ブラシは歯茎の状態に合った正しいサイズをかかりつけの歯科で選択してもらうと安心です。
歯間ブラシ使用時は歯と歯の間はエナメル質が薄く、摩耗の原因になることがありますので、歯磨き粉がお口に入っていない状態でご使用ください。
【歯間ブラシ・糸ようじ】
いよいよ歯ブラシの登場です。歯ブラシは鉛筆持ちで把持し、軽いタッチで歯の面に毛束を当てます。
磨き忘れがないように鏡をみながら 歯の表・裏・かみ合わせとご自身で順番を決めて磨いてください。
【持ち方】
【注意する場所】
【虫歯予防磨き】
【歯周病予防磨き】
【マウスウォッシュ】
お口の中の細菌は乾燥を好みます。
よって就寝中が一番繁殖しやすい状態ですので、就寝前にうがい薬の使用は効果があります。
ぜひお試しください。
歯磨き粉について
最近は目的、用途をしっかり表示した歯磨き粉が見られるようになりました。
フッ素入り歯磨粉、歯周病菌に直接作用する歯磨き粉などは商品の使用容量を守りましょう。
一般的な歯磨き粉は、泡でお口の中がいっぱいになるような場合は、少しの量で磨くことをご提案します。
歯磨き粉を使用すると爽快感が得られますが、磨き残してしまうこともあります。
歯磨粉なしでも清掃効果はありますので、一日一回など歯磨き粉を使わずに10分間以上じっくりブラッシングする(歯肉のマッサージ)時間を設けるのもいいですね。
施設入所時のお願い
施設等に入所をされる方は、日常で使用をしている歯ブラシだけでなく補助用具として糸ようじや歯間ブラシ、お気に入りの歯磨き粉などをご持参ください。
施設では歯科衛生士等がブラッシングの指導をしますので、今までとは違う歯磨きの経験ができると思います。
以上基本的な歯磨きの方法についてお話をしました。
この他にも歯医者さんでは、一人ひとりに合った歯磨きの方法を指導してくれます。
人によって歯の大きさや歯並びが違うため、自分に合った歯磨きのやり方を知っておくことは大切です。
このようなことから、定期的な歯科の受診をされるようにお勧めいたします。