給与の歴史は、古代の物品支給から現代の成果主義まで、社会構造や経済制度の変化とともに進化してきました。
以下に、日本と世界の給与制度の主な変遷を時代ごとにまとめます。
🏛 世界における給与の起源と語源
- 古代ローマ:兵士への報酬として※「塩(sal)」が支給されていたことから、「salary(サラリー)」の語源は「salarium=塩代」とされる説が有力。※塩はラテン語でsal(サル)
- 封建社会(中世ヨーロッパ):土地や物資による報酬が中心。貨幣経済の発展とともに金銭支給へ移行。
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🇯🇵 日本における給与制度の変遷
- 封建時代(鎌倉〜江戸)
- 主君から家臣へ「土地」や「米(石高)」を報酬として支給。
- 給与という概念はなく、忠誠と引き換えの生活保障が中心。
- 明治〜大正期(1868〜1925)
- 近代企業の誕生とともに「月給制」が導入。
- ホワイトカラーは「俸給」、ブルーカラーは「賃金」と呼ばれ、待遇格差が顕著。
- 日給制が主流で、時間給の概念は未成熟。
- 昭和戦前〜戦後直後(1925〜1955)
- 統制経済下で「統制給」が導入され、賃金の国家管理が進む。
- 戦後は「生活給」重視へ転換。最低限の生活を保障する賃金体系が整備される。
- 高度成長期〜バブル期(1955〜1990)
- 「年功序列」「終身雇用」「職能給」が主流に。
- 勤続年数や年齢に応じて昇給する制度が確立。
- バブル崩壊後〜現在(1990〜)
- 「成果主義賃金」への移行。業績や能力に応じた報酬体系が導入。
- 非正規雇用の増加により、賃金格差が再び拡大。
- デジタル給与(振込・電子マネー)やフレックス報酬制度など、多様化が進行。
🔮 今後の展望
- ジョブ型雇用の拡大により、職務内容に応じた給与体系が主流になる可能性。
- ベーシックインカムや成果連動型報酬など、新しい報酬概念の議論も進行中。
- AI・DXによる業務評価の自動化が、給与決定の透明性と公平性を高める可能性。
給与制度は、単なる報酬の仕組みではなく、社会の価値観や経済の在り方を映す鏡でもあります。
より公平で柔軟な制度設計が、これからの働き方に求められていると言えますね👍👍👍


