いのちを支えるスープ
辰巳芳子さんのスープは、8年間に及んだお父様への介護の中で培ったもの。嚥下障害のあるお父様のため、季節の新鮮・無農薬野菜をスープとしてさまざまなスープを病院に届けられた。(コンソメ・ポタージュ・トマトスープ・味噌汁など)
お父様もおいしそうに口に含み、じっくり味わい、笑顔で応えてくれた。
最後の時まで食事は支えになると書かれている。鎌倉の自宅でスープ教室を始め20数年。
一般の方だけではなく、医療関係、特に緩和ケア病棟・老人福祉施設・保育園などの児童福祉施設の方々も多く学ばれ、当院の栄養士・調理師も参加し、平成20年10月より毎週献立に組み込まれ、年間30数種の辰巳先生のレシピをもとに季節の素材を使ったスープを提供しています。
野菜の旨味を充分に引き出すためには、一品ずつ、切り方・大きさ・厚み・形それぞれ均一に切り揃える。火力も中火以下で、鍋ふたをしながらじっくりと蒸らし炒めの手法で作る。
鍋ふたについた水滴を旨味が詰まっているので鍋の中にと、愛情と心を込め丁寧に作り上げていく。心と愛情のこもった料理は伝わるものがある。
目には見えないが、まごころを込めて作り続けます。
みゆきの里では料理研究家辰巳芳子先生のレシピをもとに「いのちを支えるスープ」を週に一度、患者様やご利用者様にお召し上がりいただいております。
辰巳先生のスープは、季節に応じた食材を選び、素材を5mmや1cmに揃えて切り、蒸らし炒めという手法を使って栄養素が残りやすいスープが特徴です。
「主体はいのち。いのちを守るため、いのちを丁寧にいきるため、人間の限界を知り、自然の法則を知り、風土とともに生きてほしい」との辰巳先生のメッセージが込められています。
提供しているスープの種類は40~50種類あります。
旬の食材を使用し、自然治癒力を高め、薬食同源(食事はおくすり)といわれるように各素材が持つ栄養の効能を最大限に高め、作り手が集中し、心を込めて調理を行い、機能的栄養だけではなく、食べる人の心の栄養につながることを目的として「いのちを支えるスープ」を提供しています。