はじめに

年末年始は、寒さや生活リズムの変化、外出機会の減少などが重なり、身体を動かす量が少なくなりやすい時期です。
「体が重い」
「歩くのが億劫になった」
「立ち上がりにくくなった気がする」
――そんな変化を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この時期に大切なのは、無理に元の生活に戻そうとすることではありません。
今の身体の状態を確認しながら、少しずつ整えていくことが、安心して日常生活へ戻るための第一歩になります。
年末年始に起こりやすい身体の変化

活動量が減る期間が続くと、身体には次のような変化が起こりやすくなります。
・太ももやお尻など、歩く・立つための筋力低下
・関節の動きが小さくなり、動作がぎこちなくなる
・バランス能力の低下による転倒リスクの増加
・疲れやすさや、活動意欲の低下
特に高齢の方の場合、「少し動かない期間」が、その後の生活動作に大きく影響することも少なくありません。
「最近、外出の回数が減った」「歩く距離が短くなった」と感じたときは、身体からのサインかもしれません。
運動再開で大切にしたい考え方
運動を再開する際に大切なのは、「無理をしないこと」です。
運動というと、「しっかり体操をしなければ」「以前と同じことをしなければ」と考えがちですが、必要なのは今の身体に合った動かし方を選ぶことです。
いきなり以前と同じ運動量に戻そうとすると、筋肉や関節に負担がかかり、痛みや不安につながることもあります。
「少し動けた」「今日はここまでできた」そんな小さな成功体験の積み重ねが、継続につながります。
日常生活の中でできる運動の工夫

特別な運動の時間を設けなくても、日常生活そのものが大切な運動になります。
・いすから立つときは、手すりや机を使いながらゆっくり行う
・室内でもよいので、意識して歩く時間をつくる
・テレビを見ながら、足首を動かす・膝を伸ばす
・家事の合間に、背筋を伸ばして深呼吸をする
こうした小さな動きの積み重ねが、筋力・関節の動き・バランス能力の維持につながります。
体重と健康 ―「少し整える」という考え方
年末年始は、食事量や間食が増え、体重が増えやすい時期でもあります。
体重が増えることで、膝や腰への負担が大きくなり、動きにくさにつながることもあります。
医療・介護の分野では、体重を大きく減らすことよりも、「少し整える」ことが、身体への負担が少なく、長く続けやすいと考えられています。
無理なく続けるための食事の工夫 ― 1食あたり100kcalの「小さな調整」 ―
体重管理というと、「食事を大きく減らさなければ」「我慢が必要」と感じる方も多いかもしれません。
しかし、極端な食事制限は筋力や体力の低下につながりやすく、特に高齢の方にとっては注意が必要です。
医療・介護の現場では、1食あたり約100kcal程度の小さな調整を積み重ねることが、身体への負担が少なく、長く続けやすい方法と考えられています。
100kcalというと、少し分かりにくいかもしれませんが、実は日常の中で無理なく調整できる範囲です。
たとえば、こんな工夫があります
・甘い飲み物を、無糖のお茶や水に替える
・間食のお菓子を半分にする、または毎日から2〜3日に1回にする
・揚げ物を、焼き物・煮物・蒸し料理に替える
・ごはんの量を、いつもより一口分だけ少なめにする
・マヨネーズやドレッシングを、かけ過ぎないようにする
どれも「やめる」「我慢する」というより、少しだけ調整することがポイントです。
大切なのは「完璧を目指さない」こと
毎食きっちり守る必要はありません。
外食や行事のある日は、無理に調整しなくても大丈夫です。
運動と同じく、「今日はできた」「昨日より少し意識できた」
そんな積み重ねが、体重や身体の動きやすさを整えることにつながります。
おわりに

年末年始の運動不足や生活リズムの乱れは、多くの方が経験する一時的なものです。
大切なのは、焦らず、今の身体に目を向けること。
運動も食事も、できるところから。
安心して日常生活を続けていくために、無理のない一歩を踏み出していきましょう。






